第2回 都会には「ない」に悩んでいる人が多い?
- 執筆者 古川智恵美
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2019/07/09
今年の3月に突然行われた『「いなかパイプが求める「いなか求人」~ない人って何!~トークライブ」。いなかパイプとも関わりの深いおふたり(青木将幸さん、岡田拓也さん)とササクラレオで話をしました。テーマは「ない人」について。
都会でモヤモヤしている「ない人」からの問い合わせが多いいなかパイプ。世の中は「ある人」を求めている現状をみて、その真逆をいこうということに。「ない」のはないで諦めて、あるところを伸ばせばいい。あるところに合う仕事を見つけてマッチングする、ということに今、いなかパイプは取り組んでいます。
第1回はこちら
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第2回 都会には「ない」に悩んでいる人が多い?
レオ:働きたい側の人達に向けて募集説明会をしています。その中でよく聞くお悩み相談として
「私やりたいことないんです」とか
「なんとなく都会が合わないから田舎かなと思って」とか、
「これっていうものがないんですけど、わたしでも働けますか?」とか。
そういう思い悩む人たちからの問合せがいなかパイプには多い。ぼんやり層。なんでもいいならば仕事はたくさんある。その人たちの希望とマッチさせることもできるし、何もなかったとしても「こういう仕事あるけどやってみる?」と聞いて「やりたい」となればマッチする。だからそれを起こせたらいいんじゃないかと。
多くの人はその求人は給与いくら、こういう仕事内容で、その枠にはまる人を募集している。そのはまる人達っていうのは「ある人」で、枠の条件にはまらなくて思い悩んで、ストップしてる人たちが世の中にごまんといる。
イヤイヤ仕事をしたり、苦しみながら仕事したりしている人がいるんじゃないか、そういう人たちこそ田舎に来ていただき、仕事を手伝ってもらえたら。ちょっとこっちも人手不足で大変だから手伝って。そうやって手伝ってもらい、色々やってもらいながら、その人のやりたいことが見つかったらそっちに行ってもらえればいい。悩んでいる人が、悩みが解決して「これやろう」って決めるまでの間でいい。
岡田:悩みを解決したら「ある人」になっているってこと?
レオ:「ある人」になっている可能はある。やりたいことが見つかれば「ある人」と言える。
岡田:なるほど。
レオ:だから今の時点では何にもなくていい。資格もいらない。世の中は「ある人」を求めている現状があるから、その真逆を行こうと思って。ない人大歓迎、ない人来てくださいということで、今回のメッセージになりました。
マーキー:真逆ね。
レオ:そういう「ない」って言っている人の中にも、「ある」ものがある。「パソコンできます」「会計の仕事してました」とか、その人が「ない」と思っているだけで、聞いていくと実は「ある」。「ない」ところを頑張ってできるようにしましょうは、いなかパイプではしなくてもいいんじゃないかと思って。
「ない」のはないで諦めればいいんだよって!あるところを伸ばせばいい。あるところに合う仕事を見つけて、マッチングしたらいいだけだから、それはいなかパイプができると思った。それで田舎の力にもなってもらえれば。働く側も田舎の事業者さんもハッピーになれると思ってます。それで「ない人にある可能性を世の中に」っていうキャッチコピーが生まれました。
マーキー:なるほど、よく考えたね。
岡田:このチラシの表面には、やりたいことないとか、居場所ないとか、自分ないとか、アイディアないとか、スキルない、とかいろんな「ない」がある。
レオ:そうやって、「ない人」が活躍できる田舎があるよって言いたい。
マーキー:おー。すばらしい。
レオ:ということ、「ない人」って何か伝わりましたか?
マーキー・岡田:わかりました。
パチパチパチ(一同拍手)
マーキー:都会のしがないサラリーマンだから僕なにもないっすよ、っていうような人でも。
レオ:ある!!!生きてきた何かがあるんですよ。
マーキー:そりゃそうだよね。
レオ:そこに目を向けられる社会であってほしい。会社であってほしいんですよね。
岡田:いなかパイプはそっち側に立つぞってことなんですよね。
レオ:そうそう。だから今、会社の都合でこの給料でこの仕事をやってくれる人募集って世の中はやっていて、うちの会社に合わせろ、みたいな感じですよね。そこにはまらなくて、みんな困ってる。
(③へつづく)
ゲストプロフィール
青木将幸さん( 青木将幸ファシリテーター事務所 ) http://www.aokiworks.net/
1976年生まれ。熊野出身。環境NGO・A SEED JAPANに関わる傍ら「それぞれの持ち味が発揮される組織づくり」に関心をよせる。95年よりNPO向けの組織運営トレーニングの開発とファシリテーションに関わる。企画会社ワークショップ・ミューで修行期を過ごした後、2003年に青木将幸ファシリテーター事務所を設立。以来、毎年100回ほどのペースで会議・ワークショップ・参加体験型研修の進行役をつとめている。2012年より拠点を東京から淡路島に移し、国生み伝説のある島から日本中に出かける日々を送っている。著書に「ファシリテーションを学校に!〜深い学びを促進する〜」 https://amzn.to/2Oj2vdQ などがある。
岡田拓也さん(株式会社ande代表)
1988年、兵庫県豊岡市生まれ。いなかと都会を行ったり来たりしながら、ビジョン起点での仕掛けづくりを行う。2015年より、全国各地のまちづくり事業に携わり、まちづくりと地方移住とに関するメディアを立ち上げ、運営。全国100人以上のキーパーソンにインタビューを行う。2017年に起業し、複数拠点(宮崎・東京・高知・大阪・山梨)で暮らし、働く。人文知の社会実装がテーマ。