「いなか」の未来のために!いなかパイプの「人(ヒト)にファンド」へ“たくし金”お願いいたします!
- 執筆者 佐々倉玲於
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2021/08/23
いなかパイプを応援してくださっているみなさまへ
いつも応援ありがとうございます。いなかパイプのササクラレオです。
コロナ禍に加え、大雨が降りあちらこちらの「いなか」で被害が出ています。苦しい思いをされている方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
こんな社会状況の中で、私たちいなかパイプで働くスタッフは、「いなか」で自分らしく幸せに暮らせていることをありがたく思っています。
「いなかで自分らしく幸せに暮らせている」と私たちが感じることを、未来につないでいきたい。私たちが暮らす地域だけではなく、隣の「いなか」でも!世界の「いなか」にもつないでいきたい!
そして、私たちがなくしたくない「いなか」を、なくさないための経済の仕組みをつくりたい!という気持ちが湧いてきています。
そこで、いなかパイプが次の事業展開をするための「お金」を、「いなか」を応援してくださっている皆様に託していただきたいと思いお願いです。
2018年に派遣業許可取得に向けて、子会社として株式会社いなかパイプを設立するために第1回目の募集を実施した「いなか人にファンド」(基金)の第2回目の募集となります。
基金は、一般社団法人特有の仕組みで、応援くださる方から「お金」(たくし金)をお預かりして、法人が運用させていただく仕組みです。詳しくはこの記事の最後の方をご覧ください。
こんな想いに至ったきっかけは、第3者から当事者になったから
2010年に一般社団法人いなかパイプを設立し、2018年には社団法人の子会社として株式会社いなかパイプを設立し、代々受け継がれてきた「いなか」という地域を後世に受け継いでいくことを目的に、おかげさまで11年なんとかやってくることができました。
地域の人と地域外の人との人間関係をつくることをねらいに10年やってきた29泊30日の「いなかインターンシップ」。派遣業の許可をとってまで人間と向き合い、「とかい」の人と「いなか」の人とのマッチングに携わる「いなかマッチ」もスタートして早6年が経ちます。
地域外から人を呼んで来て、「いなか」で人が育っていく現場を見ながら、「いなか」の人々が必要とする仕事をつくったり、お手伝いしたり。そんな仕事に地域外から来た人を送り込んだりして、「いなか」と「とかい」のパイプ役、「いま」と「みらい」のパイプ役として、「いなかをつなぐ」ということを仕事にしてやってきました。
そんな中で、私の父・母がやっていた魚の養殖業が立ちいかなくなり、私が経営を引き継ぐことにしました。(詳しくはこちら)
僕としては、どちらかというとやりたくない仕事で、父・母が始めた仕事だから、それがうまくいかないならば最後自分たちで終いをつけてくれ!と遠くで願っていた立場の人間でした。
しかし、血縁とは切っても切れないもので、どんどん巻き込まれ、最後僕が経営を引き継ぐことを決めるまでになりました。
そうなったのも「いなかパイプ」という会社で、「いなかをつなぐ!」とか言って10年やってきて、他人にも関わらずたくさんの人の事業をつないできたのに、自分の親でもある事業者を見捨てたならば、これまでやってきたことやこれからやろうとしていることを否定することになる気がし、今後の人生、自分に嘘をつき続け生きていかなければいけなくなると思ったからでした。
引き継ぐと簡単に書いていますが、そんな簡単には引き継げず、目下戦いの真っ只中ですが、そのことはここでは横に置いて、いなかパイプの立場から捉えて以下は書きます。
立ちいかなくなった会社を引き継いだことで、一次産業の生産者・経営者の気持ちをリアルに体感することができ、いろんなことが見えて来ました。
●通帳にお金がない中、どのように自転車操業していくのかということ
●銀行からお金を借りることができないということがあるということ
●お金がないと人も雇えず、現状以上の生産ができないということ
●生産物には相場があるけど、相場の価格に合わせたコストで生産できないということ
●どんなにすばらしい技術・美味しい生産物があっても売らないと、売れないと、価値がないということ
●生き物が商品だと、日々価値が変化するから、その弱みに付け込んで買い手が文句を言って買い叩いたり、買うと言っておきながら引き取らなかったり、お金も振り込まないということもあるということ
●家族経営だと親兄弟・親戚一同、あーだこーだと言ったり、ゴネたりして、ビジネスライクに割り切れないこと
●売ったものを「おいしい」と言って食べてもらえたら自分が褒められているようで照れるようなうれしさがあること
●モノの価値をちゃんとわかってくれたり、応援するよと言って買ってくれる人がたくさんいるということ
などなど、いいことも悪いことも、今まで第3者の立場でなんとなく知ってるつもりでいたことが、当事者となったことで体験としてまさに体感することができました。
そして、「こんな気持ちでやっていたら、そりゃやめたくなるな~」ということと、やめるかやめないかは経営者の最終判断に左右され、やめないことをギリギリまで粘ることもできるし、さっさとやめて違うことをすることだってできちゃうんだな~ と。ほんと経営者次第だ、経営は!ということが見えてきています。
こんな出来事から思ったことは、ここで起こっていることは、僕だけの個人的なことではなく、「いなか」のあっちこっちで起こっているリアルであって、珍しいことではない。いなか産業の経営者は、こんな気持ちを抱えながらやっているのか?!!ということに改めて気づくことができました。
なくしたくない「いなか産業」をなくさない仕組みをつくりたい!
そんな気づきから、いなかパイプでこれまでやってきたことと、これからやるべきことがつながって、これからの事業展開の方向性が見えてきたのでした。
一般社団法人いなかパイプと株式会社いなかパイプという法人格があるので、これらの機能をフル活用して、これからいなかパイプで取り組んでいきたいことは3つです。(図参照・この図は募集事項のPDFファイルの中にも入れてます)
「なくしたくない!」という想いを持ついなか産業経営者さんの「なくしたくないモノ・仕事」をなくさないよう一緒に取り組んでいきたいと思っています。
そのために、いなかパイプが関わり続けられる仕組みをつくりたいです。
1)いなか応援者からの「お金」が事業再生に活用される仕組みをつくりたい!
「お金がない」とどの経営者も言い、人件費を削り、担い手を募集し、採用し、雇い育てるというところまで余裕がなく、結果、慢性的な人手不足に陥っています。
スタートの「お金がない」は、経営者の問題もあるけれど、食べ物の価値が低い・安いという日本社会の構造的な問題が大きいと僕は思っています。最低賃金はどんどんあげられてるのに、卵の値段は今も昔も変わらないって、おかしいでしょ!
そんな社会に合わせたモノづくりをやろうとしても、どんどん自分の首を絞めるばかりで、「お金がない」というセリフが出てしまう。
ならば、それとは違う社会をつくり、食べ物の価値をちゃんと評価してくれる社会の人たちに、納得がいく価格でモノをとどけていくことをできるようになったらいいのではないか。
そんなことができるように、一緒に考え、生産の仕方を工夫し、売り方を工夫し、経営改善していきましょう。
苦しいときは買い支え、売り上げをつくりながら、銀行がお金を貸してくれるときまで、持ちこたえましょう!
そんな経営改善のきっかけをつくれるような経営支援とお金の流れをつくっていける仕組みをつくりたいと思っています。
さらに、目指すは公益社団法人化を目指し、貸金業を取得し、NPOバンクのような融資の仕組みもいよいよつくっていきたいと構想しています。
2)派遣業を活用して「人」がいなかで育成され働き続けられる仕組みをつくりたい!
この仕組みは6年間の経験でできつつあります。今の仕組みをブラッシュアップしてもっと効果的に活用できるようにしていきたい。
いなか産業のお仕事は、季節や天候、生産物の生育に合わせた仕事になるため、たくさん人が必要な時期があれば、ほとんど人が必要になくなるときがあります。そして、また来年同じ季節に同じ人に来てもらえたら助かる~ ということがあります。
そんな仕事に合わせて、フリーランスで働けるような自信がある人ばかりではないので、自信がない人もまずはいなかパイプに通年雇用されて、季節に応じた仕事をやってみる。そして、「いなか」に暮らしながらいなか産業の事業者さんと共に働いていけるかどうかを確かめる。
こんな仕組みができつつあるので、次はエリアを広げ、人を増やし取り組んでいきたいと考えています。そのためにも最近呼びかけさせてもらった「いなかつなぐハケン組合(仮称)」をつくってしっかりしたネットワークを構築していきたいと考えています。
また近々、外国から働きに来た人たちのサポート&コーディネートも始まろうとしています。日本のみならず、いよいよ世界の「いなか」ともつながっていける仕組みをつくっていきます!
3)いなかで生産された「モノ」を納得がいく価格で取り引きできる仕組みをつくりたい!
いなかパイプでも農産物や水産物をつくり、売り始めています。モノを売ることは簡単なようで、奥が深く難しいことです。でも、そのモノの価値をわかってくださる方がその対価を払ってくれて、買ってくれ、食べた感想など反応を返してくれるという、生産者と購入者をつなげるわかりやすいマッチングシステムだと捉えています。
人と人をつないできた経験を活かしながら、モノを媒介としたマッチングの仕組みをつくっていきたいと考えています。
そのために近日公開予定の「いなかの“しごと”をつなぐ応援サイト パイプマーケット」というプラットフォームをつくっています。このサイトを活用し、いなかパイプで仕入れたモノを売ったり、いなか産業事業者さんが自ら生産物やサービスを販売したり。インターネットが苦手な事業者さんのお手伝いもしたいと思っています。
そんなことを通して、つくったモノやサービスを納得がいく価格で販売し、いなか産業を応援しようと思ってくださる方にちゃんと買ってもらえる仕組みをつくっていきたい。そして、お金が回って、「お金がない」と言わなくてすむように、ヒトもモノも回っていく仕組みを確立していきたいと思っています。
いなかパイプを通じて、「いなか」の未来に力をお貸しください!
こんないなかパイプがつくりたい仕組みに賛同いただいて、お金を出し、見守っていただける方を募集したいと思います。
今回投資していただいたお金は、一般社団法人いなかパイプの「基金」として帳簿に記録されます。
「基金」とは、社員や社員以外の人から一般社団法人に搬出された金銭その他の財産であって、当核一般社団法人が搬出者に対して法律、および当核一般社団法人と当核搬出者との間の合意の定めるところに従い、返還義務を負うものとされています。
株式会社の出資金に似たところがありますがそれとは考え方が異なり、お金で配当することはできません。また、返還義務を負うので、法人が拠出金を上回る利益を上げた後、返還要求があれば変換されるものとなります。
配当がある出資や、返還されない寄付ではない、長期貸付のようなものとご理解いただけたらと思います。しかし、ただお金をお預かりし運用させていただくだけではなく取り組みたいこととして、応援していただいた方には、年に1度、盆か正月に「いなか」から農産物や水産物をお届けするということにしたいと思っています。
お金を出したら、お金でリターンが返って来るという社会から脱出して、「お互い持っているものを出し合って、やりとりできる“つながり”がある社会をつくっていくことを目指したいとも思っています。
「仕組みづくりは順調?!」
「はい、おかげさまでこんなモノができたんで送りますね~」
なんていうやりとりができる関係を、いなか応援者のみなさまとつくっていきたいです。
ということで、いなかパイプは、みなさまから預かったお金をしっかり運用させていただいて、みなさんがなくしたくないと思っているいなか産業がなくならないように、事業者さんがなくしたくない!と思っている事業がなくならないように、しっかりとした持続可能なしくみをつくって、みんなで一緒に「いなか」を未来につないでいくつもりです。
最後にもう一度、いなかパイプを通じて、「いなか」の未来にお力をお貸しください!どうぞよろしくお願いいたします!!
いなか人にファンド(基金) 第2回 募集事項
【基金の目的】
2018年に派遣業許可取得に向けて、子会社として株式会社いなかパイプを設立するために第1回目の募集を実施しました。第2回目となる今回は、その株式会社を中心にこれから実施したい、なくしたくない“いなか産業”をなくさない仕組みづくりを実現することを目的とします。
いなかパイプがつくりたい仕組みは、
①いなか応援者からの「お金」が事業再生に活用される仕組み
②派遣業を活用して「人」がいなかで育成され働き続けられる仕組み
③いなかで生産された「モノ」を納得がいく価格で取り引きできる仕組み
の3つです。これらの仕組みをつくりながら「人」と「お金」がない状態が生まれてしまう “いなか産業”の慢性的な課題を解決し、持続可能な経営ができるように経営者を支援する活動を行います。
【募集に係る基金の総額】
総額 金10,000万円(募集基金総数 1000口、1口 金10万円)
【申込期間】
2021年8月22日~2021年9月14日
【申込方法】
↓
申込必要事項(氏名・住所・電話番号・引受口数)を記入の上メール送付
↓
事務局より電子契約書送付
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確認・署名
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出資金払込
【払込期日】
2021年9月22日
【払込の取扱場所】
ゆうちょ銀行 六四八支店 普通 1119778(記号番号 16480-11197781)
口座名義: 一般社団法人いなかパイプ ( シャ)イナカパイプ )
(その他の口座をご希望の場合は、募集要項に記載)
【出資頂いた方へ】
●年に1回、盆あるいは正月に合わせて農産物・水産物など贈り物をさせていただきます。
●毎年の事業報告などをお送りさせて頂きます。
●メール等にてお知らせ(不定期)やメールマガジン(月1回)をお送りさせて頂きます
●許可を頂けた方のみお名前をWebサイトにて公表させて頂きます
【申込・お問合せ】
一般社団法人いなかパイプ
高知県高岡郡四万十町広瀬583-13
Tel/Fax:0880-28-5594・090−1943−2028
e-mail: https://inaka-pipe.net/contact/