それは最寄の商店街で
2012/11/07
- 執筆者 岩崎年浩
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
こんにちは、四万十で二回目の秋を迎えているとっしーです。
いなかへのインターンシップを迎える。
という仕事柄、いなかでの生活に驚きを隠せない人と接する機会が多く、
その瞬間に立ち会うたびに、自分が引越してきた時のことを思い出したりします。
引越してくる前は、東京の世田谷で暮らしていたので、
家から、
5分も歩けばコンビニが2件はあり、
10分も歩かずに、一時間に7本は電車が停まる駅があり、
10年住んでも、行ったことが無い飲食店がありました。
それが今、
家から
30分は車を走らせないとコンビニが無く、
20分くらい歩いて着く駅の列車は、日に7本、
1年も経たずに、行ったことが無い飲食店(最寄駅では)が思い浮かばなくなりました。
今回は、そんな生活環境の変化で、
振り返ってみたら、
以前の生活では、無かったであろう出来事についてまとめてみました。
-ケース①落し物-
商店街で、財布を落とした時
よく利用していた銀行のATMが、半径30キロには無い。
という事を聞いていた自分が、
現金を大分詰め込んでいた財布を落とし、
それを、近所の人に相談したところ、
「そりゃ大変、見つかるといいね~」
の後に、
「盗られる心配はないけど、見つける人がおるかわからんしね」
歩いてる人が少ないので、
気づいて拾われる前に、雨で流れたり見つからないことが心配。ということでした。
盗られる心配しかしてなかった自分は、
警察に届け忘れていた拾い主のおじちゃんに、
「見つけてくれてありがとうございます」
と、お礼を伝えたものです。
-ケース②買い物-
髪にワックスなどつけるのが、習慣のようになっていた引越し当初、
無くなったワックスを買いに、最寄の商店街へ。
さて、
みなさんは以下の候補の中だったら、どこに売ってると思いますか?
・スーパー
・タバコ屋
・雑貨・金物屋
・化粧品屋
・床屋
自分は、
スーパーで見つからず、
化粧品屋だと思ったのですが、男性用は無く。
床屋でも販売用が無く。
最後に寄った、雑貨・金物屋で見つけました。
それ以来、
なにかほしいものがあれば、まずそのお店に相談するようになりました。
-ケース③ランニング-
東京でもたまにランニングをしていたので、
引越して三日目くらいに近所を走っていたときのこと。
往復4キロ程度の道のりを、往路を挨拶しながら走ってゆき、
その帰り道、
行きに挨拶してくれたおじちゃんが、
「おぉー、帰ってきたな、おつかれ、おつかれ」
と、帰ってくれるのを待ってくれていて、
「ま、上がって一杯やってけや」
なんて、声までかけてくれる。
それも、計3回。
それぞれ別の人とはいえ、3回も断るのが気が引けて、
最後のお誘いにはのらせていただきました。
当時酔っていたらしいおじいちゃんと、
きちんと自己紹介できたのは、そこからさらに1週間後でした。
-ケース④散髪-
引越して半年位が経ち、それでも自転車が移動手段だった年末ごろ、
近所で買えないワックスを使いたい髪形が面倒になり、近所の床屋に行った時のこと。
坊主にしてしまおうとは思っていたものの、
バリカンでの坊主まで踏み切れなかった自分は、
“適当な長さに、すきバサミを入れた坊主でお願いします”
というようなオーダーをし、
「これで、そんな違うもんかね?」
なんていわれながら切ってもらってたのですが、
「ほら、見てみ?バリカンでやるのと、大して変わらんぞ?」
と、
何気なくバリカンを入れられ、キレイな坊主頭にして頂きました。
後日、
あまりの頭の寒さが原因かもしれない風邪を引いたあと、
“坊主頭は頭が寒くて風邪引くんで、ちょっと長さ残してください”
と、オーダーしたら、
「そんな事言ってるから風邪ひくんだよ。潔くコレにしとけ」
と、またバリカンで綺麗に刈りそろえていただきました。
こんな、ココでは日常的な出来事を、
ちょっとした事故か事件にでもあったような驚きで楽しんでいる自分です。
楽しめているのは、
ヨソモノであるが故なのでしょう、新鮮だからなんでしょう。
このままやったら、いつかは飽きてしまうのでしょう、
でも、
それは、どこにいても同じこと。
だと思ってます。
人がたくさん居る場所にいれば、
飽きを感じないくらいに、誰かが提供してくれるかもしれません。
人がすくない場所にいると、
飽きを感じたら、自分から作り出さないといけないかもしれません。
どちらが自分にとって居心地が良いか。
その結論はあせらず、楽しんでゆこうと思います。