棚田で2年目の米づくり
- 執筆者 和田玲子
- 所 属
2023/08/25
女性専用の民泊&へんろ宿 「シェアハウス土佐指南家」おかみのレイです。
ある日、思いがけず家族に変化があらわれて・・
義父が85歳を過ぎて、足腰の痛みなどで今までのように農業ができなくなってしまいました。高知市から車で1時間、嶺北といわれる中山間で標高400mを越える棚田で稲作をしていました。
標高400m棚田からの眺め
1人で田んぼ4反(1反=約1000㎡、50m×20mのプールくらいの広さ)の米づくりを60年以上続けてきた義父、その仕事がいかに大変だったかということを、しみじみと実感しています。
その孫である息子の「米づくりをしたい」という一言から、家族4人での米作りへの挑戦が始まりました。
米作りは予想以上に大変です・・
義父が使っていた田植機、コンバイン、米の乾燥機などの必要な機械一式があったので、それを使うことができました。これらの機械一式が無ければ始まりませんでした。
田んぼの耕作
苗床づくり、畦の草刈り、肥料などの準備など、いろいろなことであっという間に時間が過ぎます。
高所の水源から田んぼへホースで水を引くことが重要な作業となりますが、落葉や石などでホースが詰まりやすく、うまく流れてこないことも度々あり、頻繁に水入り具合を確かめなければなりません。
耕作を終えて
水入れ
私は昼ご飯の準備、家からの届け物など雑用係くらいしかできず、主人と息子たちがメインとなって作業を進めていってくれます。家族の協力の大切さが身に染みました。
家族4人での米づくりは2年目となり、4月頃より作業計画をたて調整して、6月中旬になんとか田植えが完了しました。
ご近所の先輩の方々から、いろいろと教えていただきました。便利だからと、自宅から器具を持ってきて一緒に作業してくださることもありました。
昔からの地元の結い(結びつき)を感じて・・
これほどまで、多くの方々がやさしく見守ってくださるとは思っていなかったので、みなさまの優しさに感謝するばかりでした。
地元の店で会ったり、道ですれ違ったりするときにも、田んぼのことを心配して進み具合を聞かれたり、
「田植えは終わったかよ」
とたずねられたりしました。
「○○さんとこのお孫さんらぁが田植えをやりゆうらしい」
という具合に、初心者家族の米づくりは地元の話題にも上がっていたようです。
苗床づくり
育苗
近所の先輩の方々と話す中で、後継者がいないこと、いつまで田んぼができるかどうかという不安を多くの方が思っていることがよくわかりました。
「作らんなって田んぼを荒らして、他の田んぼに迷惑をかけたらいかんきね」
ということをよく耳にしました。周囲への配慮を忘れず、元気でできる間は田んぼを続けていくという思いで続けていることがよくわかりました。
棚田の景色を継承していきたい
自分たち家族も、今後どのくらい続けていけるのだろう?その不安はありますが、できるまでやってみようという思いで進んでいます。
田植え後の緑の棚田と秋の収穫時の黄金色の景色、どちらも大好きで、この眺めにいつも癒やされていました。
田植えを終えて
元気で笑顔でできる農業となるような一次産業の未来を願っています。労力と時間を要する米づくりですが、収穫して新米を食べたら、そのおいしさに魅了されました。
家族みんなで、標高400mからの眺めを見ながら、田んぼの畦でお弁当を食べるのが至福の時間です。日本らしいといえる景色で、気分爽快で元気になっていきます。
水田の眺め
微力ながらも、この景色を眺めることができるように、できることをコツコツとやっていこうと思います。近所の先輩方たちの智慧を聴いて学ぶこともしっかりとやっていきたいと思います。
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アザミの花