好きな川に集まって
株式会社 西土佐四万十観光社
四万十・川の駅 カヌー館
館長 田辺 篤史さん
高知市内の方面から四万十川沿いの国道にはいり、川沿いを移動していくと、 大きな岩が目立つ川原と、長い竿を持った釣り人が目につき始める。そんな景色を眺めながら四万十市へ入ると、 川幅が広がり、流れも緩やかに見えはじめる、そんな変化を感じられたらすぐ側にあるのが四万十・川の駅 カヌー館。そこで、館長をされている田辺篤史さんとお話してきました。
- 昔から川は好きで?
川は遊び場やったけんね。 泳ぐときは、ほんと毎日泳ぎよった。あんまり色んな所に、いっていうよりは、泳ぐとこは決まったトコで泳ぎよったね。知らんところは、川の中が分からんけんこわいんよね。川幅を見てその4倍くらい泳げんと、泳がんいうて決めちょった。 - しばらく地元を離れてたんですよね? そう、どうしても京都に行きたくて。4~5年ぐらい居ました。町はきれいで、祭りも楽しかったけど、川が面白くなかった。人の手が入った川で釣りしても楽しくなかった。人の手が入って、平らに仕上げられた川を見て、これ!魚どこに住むの!?ってね。釣りをしても、つまらんかったし。
- カヌー館で働きだしたきっかけは?
京都から戻ってきてからしばらくは愛媛のスーパーで働きよったけど。 「ただ、地元で仕事ができる」で就いた仕事がカヌー館だった。 実はカヌー自体もそんなにやったことないし、川で遊ぶ一つのアイテムぐらいしか 思ってなかった。やったらどうにかなるだろうって。 後先のことはちょっとしか考えんかった(笑)
- ほとんど未経験ではじめられて、苦労とかなかったですか?
苦労?あったんでしょうね?覚えてないけど。(大笑) でも仕事が始まる前には、知り合いに一週間みっちりカヌーを教えてもらっていましたよ。 僕は6年・7年現場にいたけど、ここ最近は、現場は現場に任せようと 思うようになってきた。 若い人が育たんといけんしね。 やってみたい事もあるけんど、もっと人を育てんといけんね。 基本はカヌーがあって、川遊びができるゴムボートを取り入れながら、 ぼちぼちやっていこうかなと思ってる。 急激にやりすぎるとモチベーションがあまり続かんけんね。 その中でゆっくりと若い子を育てていこうと思います。
- 田辺さんは「人たらし」って聞きましたけど?もちろんいい意味で。
どうなんやろう~笑。 でもバイトで来てくれる子も、長く付き合ってますね。 高校の時から来てくれてる子で25・26歳になった今までも来てくれてる子もいる。 電話して「どうしてもおねがい!」と頼むと、「無理ですよ~」といいながらも「その日だけでいいですか?」 なんていって来てくれる頼もしいやつらがいます。 和歌山の子も「どうせ大学でても仕事ないんやから~」とか言って誘ったらほんとにきてくれて。 僕はたいした人間じゃないけど、助けてくれる人が沢山いるんですよ。
同じビジョンをみれるかどうか
- もし、希望ならばどんな人にきてほしいですか?
自分に無いものを持ってる人かな。でも共感のもてるものを持ってる。 スーパーで働いている時に、同じ年代くらいの人と話をしてた時に、 連れてる部下を「同じビジョンを見れる奴なんだよ~」と言っていて それがすごいな~、いいなぁと思ったね。 僕は、カヌー馬鹿ではないけど、 その先に同じビジョンが見れてれば凄くいい仕事ができるんじゃないかな。 すごく悩んだ時期があるんですよ。これからどうしていこうかなって。 その時はいろんな環境の変化があったりして。 でも、そこは周りからのサポートで助かりました。 やりたいことはいっぱいあるんですよ。 でもはっきり「これを目指すぞ!」というビジョンはモヤっとしてる。 もちろん10年後に何をやるっていうことも決めておかなきゃいけない。 模索しながらも、自分的には少しずつ向ってる気はします。 欲しいものや手に入れたいものは、思ってたら大体手に入るんです。 運がいいんですよ。ついてるんです。(笑)
- ずばり、その10年後のビジョンとは?
ガイド一人ひとりが、個々の目標と楽しみ方をもったスクールができれば、一番ベストかな。 それぞれが一人の経営者みたいな形になってくれて、“ここでこんなものを見せてあげたい”というような事が出来るようになればいいんじゃないかって思うんです。 ここがそんな拠点になって行けばいいんじゃないかなと思います。 お客さんもいろんな楽しみ方が増えるので喜んでもらえるんじゃないかと思います。 そういう人材を育てていかないといけない。 これからの僕の仕事はそういうことかなと思います。 職員雇用が厳しい現状もあったりする。でも、自然が好きだと言って集まってくる人たちを活かせれる場所にしないといけないかな~と思う。難しいけど。 だから楽しいんやろね。これから10年のチャレンジやね!
▲※昨年度インターンシップ募集の際に撮影した田辺さんのメッセージです。(2011年6月)