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地元の素材を大切に
米米ハート
代表 真辺由香さん
「いらっしゃいませ~どうぞ~!」「ただいま焼きあがりました~!」
朝から元気な声が飛び交う店内。お昼時にもなるとお客さんはひっきりなし。あんなにたくさんあったパンはどんどんなくなっていく。中から新しいパンがどんどん焼きあがっていく。
そんな人気パン屋さん「米米ハート」のインターンシップ募集のお知らせです。
高知市から約40分北東に行ったところに嶺北という地域がある。四国山脈に囲まれた自然豊かな場所に、地元の米粉を使ったパン屋さん「米米ハート」がある。
平成21年4月4日にオープンして今年で4年目。また今年3月に米粉ケーキの専門店もオープンしたばかり。今とっても勢いのあるお店といっても間違いない。
米粉のアイスメロンパンや米粉のピザなどメディアでも紹介された人気商品がたくさん並んでいます。今や米粉のパン屋さん、ケーキ屋さんなど2店舗を展開しています。
この米粉のパン屋、ケーキ屋さん、何十年も修行を積んだ職人さんがいるわけでもありません、地元の女性達が独自に考えて地域とともに一緒に成長していったお店なんです。
その米米ハートを作り上げていった代表真辺さんにパン屋になった経緯や人気の商品開発のお話をうかがいました。
元は経理職。趣味のお菓子づくりにはまってしまって退職
-米粉のパン屋さんをはじめられたきっかけは?
もともと森林組合で経理をしてたんですよ。
お菓子作りは趣味程度だったんです。
それが本山町で、加工品研究をする事業があって、お菓子の講習会をうけたんです。
講師の先生が来てケーキ作りを教えてくれたんですけど、
それにすっかりはまってしまって、仕事が終わった後、
みんなで集まってお菓子とかケーキとかを練習していました。
それから、5人ぐらいのグループで、クリスマスケーキやおひなさまケーキなど、
お店は持たずに注文をうけて、販売をしていました。
その後も公共の施設の調理場を借りてお菓子をつくったりしていたんですが
地元にあった東京製パン所という私が大好きなパン屋が閉店になるということで、
あのパンが食べれなくなるのは困るということで、パン作りを習いに行きました。
それで今度はすっかりパンづくりにハマッてしまい
その東京製パン所で不要になった業務用の小さなオーブンやミキサーを機械をゆずってもらったんですが、
機械をおくところがない。そこでスーパーの空き店舗を貸してもらって、
営業許可もとって、そこでお店をスタートさせることになりました。
そんな感じでいつのまにやら、パンがメインになったいったんですよ。
当初から、嶺北にはおいしいお米があるので「米粉」を使ったパンを、
当時はまだあまり知られてなかったうちから使ってきました。
米粉だけじゃなく、積極的に地元の素材をつかって、
地元の人に食べてもらいたい思いでずっとやっています。
そんな時に、土佐町が、米粉のブランド化と人材育成で国の補助事業をやっていて
6次産業化につなげていくためと、地元に仕事、職人をつくっていくということやりはじめていて、
そこで声をかけられて、米米ハートを立ち上げることにしました。
元気がありあまって、困ってます(笑)
当時はまだ高知では誰も米粉を使っていなかったので、早く広めたかったけど、
私が病気をしてしまって、それから約2年間は闘病生活。
一か八かで、手術して、それが成功して、今ではすっかり元気になりました。
ここオープンしたころは、まだ体調もいまいちで通院もしていたましたけど、
最近は元気がありあまって、困ってます(笑)。
-体を気遣いながら、最初は大変でしたね。
まだまだスキルも技術も低かったし、運転資金もそんなになかったので、
パンは売れんかったらどうしよう、給料もはらえんかったらどうしようと不安に思ってました。
が、ありがたいことに、メディアにも沢山だしてもらって、
お客さんもきてくれるようになって、売り上げも徐々にあがっていったんです。
今後もパンの売り先をもっとふやしていきたいですね。
3月にオープンしたケーキ店の方も順調にいっていますが、まだまだこれからが勝負。
若い子もたくさんがんばっているので、商品的にもスキルアップしていかなきゃ。
▲ 2012年に「本山さくら市」内にオープンしたケーキ専門店
ケーキの方は商品の充実をしていくのと、
嶺北のものをおみやげにもっていくオシャレなお菓子がないので、ギフト商品をつくりたいんです。
パンとケーキは、お土産としてはもっていきにくい。
ある程度日持ちがして、簡単に食べられるものを、ギフト商品として外へ出していきたいです。
もちろん米粉でね。
そして常に新しいもの、旬のものをどんどん作っていきたいですね。
これからは「夏いちご」がでてきますよ。旬のものを出していかないとおもしろみがない。
お客さまは新しいものが好きだから、あきさせないように、
毎月あたらしいものを最低でも1個。でも今月はもうすでに5個もできてますよ!
商品開発に話し合いの時間なんて必要ないんです。
-そういうアイデアはどうやって出してるんですか?
毎日作っている中で、「こんな感じでしぼってやってみたらどう?」とか
「これいれたらおいしそうじゃない?」とかその場で思いついたことを、すぐにやってみる。
突然のおもいつきがおもしろいし、その場ですぐやるから、
話し合いの時間なんて必要ないんです。
で「できました!」「さあ、名前は何にする?」「今日から売ろう!」という感じで
すぐ販売するんです。「新商品です!~」って出すと、
みんな、なになに?って買っていってくれます。
-だからあれだけの品数があるんですね!
もう楽しくってしょうがない。とにかくマンネリ化したらおもしろくない。
ここの地域のニーズをみながら、商品は増やすだけじゃなくて、
没にしたり、作るのを変えたりもしていっています。
-お客さんとの距離もとっても近くてこの店内の雰囲気もとてもいいですよね。
ここは、交流の場としてつかわれている。
自由にくつろいでもらったらいいな。
この机や椅子も地元の木工会社ででつくってもらったんですよ。
あと、ハワイが好きなんです。
ハワイのほっとするゆったりした雰囲気、明るく楽しい気持ちを、
お客さまにももってほしいから、ハワイアンミュージックをかけたり、
ハワイアンキルトでコースターをつくったりしてみました。
スタッフのユニフォームもハワイアン柄ですよ。
よくお客さまに「中はにぎやかやね~」といわれます。
お客様にはこの雰囲気もいっしょに味わってもらいたい。
みんなが元気でパンも元気!リズムよく作っていかないとね。
※店内にはハワイアン系の音楽、パン工房にはレゲエが流れているそうです
-どんな人達が働いているのですか?
今パートさんを含め19名の方が働いてくれていますが、農家の人が多いですよ。
農繁期は「稲を刈らないかん」「田んぼせないかん」っていって
なかなか来てもらえない時が重なるので そんな時は、
中のスタッフも数名で必死でまわしたりします。
今後は、若い子をパンの職人として育てていきたいと思っています。
でもまずはレジからスタートさせて、接客とかをみながら、
この子は素質があるなっておもったら、「中に入ってサンドしてみん~?」ってさそってみて、
鉄板からトレーにうつしてもらうとか、簡単な作業をやってもらったり、
徐々に中の作業をやらせてみる。
それでできそうかな~というのをみきわめて、若い子をどんどん引き込んでいってます。
人とのコミュニケーションができて、明るくて、まじめにできる子、じゃないといけない。
「人のことを悪くいう人や、文句の多い子はいかん。」
狭い空間のなかで、4人5人が顔をつき合わせて仕事をするでしょ。
ぶちぶち文句いったり、怒るとか、いったらギクシャクしてくる。
まずは楽しく仕事をすること。笑い声とおしゃべりと、接客ができる子じゃないと。
トータル的にできる子でないと、中で長時間パンをつくることは難しい。
一番長いときは朝7時から6時までやります。
いいメンバーでやることが、長続きの秘訣。おいしいパンをリズム良くつくっていく。
オープン当初もそれを重視して人材を選んできました。
-インターン研修時にはどんなことができますか?
せっかくインターンできてくれるなら、オールマイティーに仕事をやってもらいたいと思います。
レジもやってコーヒーも出したり、パンもつくったり、できる仕事はなんでもたくさんありますよ。
-全部ができるっていうのは、ほんとうに楽しそう!
でも1ヶ月では覚えてきれそうにないですね。
大丈夫!ここに仕事にきてくれる子は1ヶ月もかからずに仕事を覚えるからね。すごいよ~。
秘訣は、やっぱり食べることが好きじゃないと。あと、仕事を嫌々してたら覚えない。
お小遣いほしさにやってもほんと覚えられない。
気持ちが入って、楽しいから、もっとこうしようって思う、そしたらすっと覚える。
若い子だけど少し暗い子がいたのよ。最初は慣れなかったこともあって、暗くてね。
でもにぎやかな中にいれたらすっごい明るくなった。仕事もしゃんしゃんできだしてね、すっごく変わったのよね。
人って、生活とか環境で、自分のやりたいこと、楽しいことしだいでものすごい顔がかわっていくのよね。
とっても綺麗にもなった。
「あまり仕事に拘束せんずつ、遊びにいかせちゃらないかん(笑)」。