「働く」意識の変化 ~「夢」と「家庭」~

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執筆者 上田知子
所 属Array

2019/06/10

こんにちは!鳥取のハンター民宿BA-BARの上田知子(旧姓:梅野)です!今回は、「働く」意識の変化をテーマに記事を書かせてもらいます。※長文になりました(笑)

 

(1)高校時代までは「働く」というイメージが全くなかった。ちょっとした承認欲求から「夢」を見つけてスイッチが入った。

 

私は、高校時代までは「働く」というイメージは全くありませんでした。とりあえず学校に行って、宿題したり、部活したり、友人と遊んだり、家でゆっくりしたり、ゲームしたり漫画読んだり、家族でお出かけしたり、とりあえず何となく毎日をすごしていた感じでした。

中学生までは興味・交友の範囲が狭かったのもあり勉強かゲームばっかりしていたような気がします。やることが限られていた中学生時代はとにかく勉強いっぱいやっていてそれなりに成果も出ていたので(テストで高得点をとれて親や周りから褒められる等)、とりあえずは勉強が楽しかったというのはあります。

 

高校に入ると勉強の難易度があがって徐々についていけなくなり、興味・交友の範囲が少し広がって並行作業のできない私は勉強をサボリがちになり勉強が一気に楽しくなくなって成績もガタ落ち↓進学校だったので周りの友達は結構真面目に勉強している人が多い。

「この人たち、何のために勉強しているんだろう・・・」

と遠い目で見ながら、でも

「やばい!このままでは大学受験どっこも受からん!」

と焦って勉強するも空回りして気分も下降気味↓↓そんな時、ケツメイシの「花鳥風月」という曲のPV(野鳥が自由に空を飛び回り最後にはハンターに撃たれちゃうというオチ)を見て、

「私もこの野鳥のように最期まで自由に飛び回りたい。。。」

なんてとってもふわっとしたことを想いながら、この曲を聴きながら家のベランダで夜景を見てプチ現実逃避していたりもしていました(笑)

 

また、私はとにかく大変不器用かつコミュニケーションが下手な人間だったため、周りから

「社会でやっていけないよ」

とか

「将来性がない」

みたいにちょこちょこ言われたりして地味にプライドの高い私はカチン!ときていました(笑)

そこからコンプレックスというか承認欲求というかが芽生えて膨らみ、「でもどうやってそれを満たす?」と思っていた頃。

図書館にフラッと行った時に、動物園の本を手に取る。(動物は昔から好きだったので。)そんな時に、動物関係の仕事は、野生動物の保護・繁殖などの仕事もある、みたいなフレーズを目にして、何かそこでピンときたんです。

「そうだ!野生動物保護レンジャーになって世界を回ろう!」

と。今思えばとってもざっくりした夢ですが。

 

そこでスイッチが入り、勉強をめっちゃ頑張るように。結局勉強をサボっていたツケで現役での大学受験にはどこにも受からなかったのですが、3年間サボっていたのを1年の浪人でめっちゃ勉強して何とか取り戻して大学へと進学。

浪人時代は、浪人仲間と、お互いの「夢」について熱く語り合い、それもモチベーションになってて浪人1年間、勉強大変だったけれど楽しかった思い出があります。この頃は、「働く」というより「夢」を見ることでいっぱいでした。

 

(2)大学生時代、バイトやって熱く働いたこともあったし、ゆるく働いたこともあった。

 

大学に進学し「夢」を追いかけるために情報収集しながらぼちぼち動きつつ、「働く」経験をするためにバイトもしていました。

ひとつは、大学生協の短期バイト。新入生に住宅や新生活用品を案内するアドバイザーをやっていました。お客さんとお話できるのが楽しかったり、「ありがとう」と言ってもらえるのが嬉しかったりと、かなり熱量をもって働いていました。(人と接する仕事がしたいと思うようになったのはこの時の経験が大きいです。)

ただ、その情熱が続いていたのもきっと短期バイトだったからこそ。長期バイトでは別の組織で製造をやっていたのですが、今思えばその時の私の働く姿勢はマジ最悪でした(爆)

懺悔になるのですが、周りがとっても優しいことを甘えて、平気で遅刻する、私語が多すぎて仕事が進まない上に製品をパーにするようなミスを繰り返す、などなど今思えば穴に入りたいぐらい大変申し訳ない気持ちでいっぱいです(汗)とりあえず、「働く」という概念は当時かなり危うかったと思います。

バイトでさえそれなので、日常の大学生活もきっといろいろと危うかったに違いありません。(そこはあまり覚えていないですが)それでも私には「夢」があった。日ごろの自分の行いをすっかり棚に上げ、「夢」を持っている私はカッコイイ!と完全に勘違いしていました。。。

 

カバ

 

そんな勘違い女で承認欲求の塊のような私は、自分は正当な評価を受けていないと感じ不満を持っている時期もありました。(そりゃそうだ(笑))

そのような愚かな私でしたが、それでも「夢」に向かって走ることで、野生動物保護から鳥獣害対策へと、「夢」の方向性が転換していったのは大きな進展でした。

その経緯は、コチラの記事の(2)に書いております。

 

大学生活も終盤に近付きいろんな人と接する中で、地道に目の前にあることをきちんとやっている人の方が、夢だの恋だのふわふわして目の前にあることに向き合わない私よりも100倍カッコイイと反省するようになり、目の前にあることをきちんとやろう意識を変えていくようになりました(やっと・・・)。

確か、この時期、「バンビーノ」というドラマが放映されていた時期で、主人公が

「目の前のことに一生懸命になれない奴に、夢を語る資格はない!」

と叱咤されていて、その言葉がそのままそっくり自身にも刺さりました。ただ、周りがリクルートスーツに身を包み、就活だーと走っていて、

「梅ちゃんどうするのー?」

的に聞かれることもありましたが、何か周りみたいにガッツリ就活する気はおきず、焦って就職もしたくないなぁというのもあり、追いかけてきた分野関連で大学院進学を選びました。(鳥獣害対策に関する野生動物の研究)

そんなこんなで、まだまだこの時も「働く」という意識は薄かったです。ただ、「夢」を追いかけつつも、目の前のことをきちんとやろう!という意識に変わったのは大きな一歩でした。

 

(3)大学院生時代と就活と

 

大学院では、研究をコツコツとやりつつ失敗もしたり、友人といっぱい遊んだりの日常でしたが、将来に向けて不安も募りつつありました。頭の中がいろいろと迷走して「私はエコツアーガイドになる!」と、とある島に軽く現実逃避に近い旅に2泊3日ほど出たこともあるんです実は。

 

ガイド

 

写真のような場所を歩くのは楽しかったのですが、最も印象に残っているのはちょっとした縁でお会いしたおばさま。とあるアイドルをこよなく愛するとってもフレンドリーな方で、一緒に呑みにも行ったんです。

そしておばさまは酔った勢いで夜の海に向かって号泣しながら、そのアイドルの名前を叫んでおり、私は冷静に(←私にしては珍しく)おばさまをなだめていたというエピソード。

現実逃避で夢を改めて探す旅のはずでしたが、今その旅で思い出されるのは、美しい自然よりもそのおばさまのことばかり!! 元気にしているかなぁ。ぶっちゃけこのようなエピソード、むちゃくちゃ楽しかったなぁと今思えば。(う~ん、この文章ではあの楽しさはうまく伝えられないとモヤモヤ)。

 

すみません、ちょっと話が脱線しました(笑)私の迷走から一歩踏み出すキッカケになったのは本でもあります。

大学院生時代はバスで通学しており、通学時間はなんと片道90分程度。その合間に本をたくさん読んでいました。読んでいたものは、高橋歩著「毎日が冒険」「サンクチュアリ」とか、水野敬也著「夢をかなえるゾウ」とか、稲盛和夫著「生き方」など、自己啓発的な本が多かったです。中でも、高橋歩著の本の中で、「まずやってみろ」というスタンスで進むという生き方に突き動かされ、

「私はハンターをやる!それに向けて就職を決める。修士論文を全うする。」

と意気込んでいました。

大学時代の経験等から人とたくさん接する仕事をしたいなぁと思っており、狩猟×グリーンツーリズムをテーマに就活し、あらゆる旅行会社の面接で

「狩猟をツアーにしたいんです!」

と言ってはどんびきされて(私の前のめりな話し方もあったかもしれませんが)、お祈りされ続けていたり。

旅行会社だけではなく他にもいろいろな業種で面接を受けて(「仕事は仕事で、やりたいことは休日にボチボチやるのもありだなぁ。とりあえずはまずは社会に出ねば。」というスタンス)、それでもやはりお祈りばかり。就活でおちたからといって、自分の人格を否定されている訳ではないと頭ではわかっていたけれど、ここまで落とされると(おそらくは軽く50社以上は落ちたと思います。)、自信喪失にもなっていく。。。

 

そしてググった。「グリーンツーリズム 採用」と。そしたら、今私が勤務しているNPO法人学生人材バンクのグリーンツーリズム枠の求人情報がヒットして、連絡をとって書類を郵送。(資格に狩猟免許と書いていたので、「会ってみよう!」と思ってもらえたそうです。)

そして、面接してもらってありがたく採用いただきました!50社以上落とされることで社会の厳しさを社会に出る前に目の当たりにし、そのような私を採用してくれて本当に本当に感謝しかなくて、絶対真面目に働こう!という意気込みで社会人になりました。「働く」という意識は、

●目の前のことをきちんとやることがまずは基本

●採用してもらえたことに対する感謝

が大きくて、その上で「夢」を追いかけていこう!となっていきました。

 

(4)社会人になってから

 

社会人になってからの概要はココに書いております。(長くなりすぎるのでいろいろと割愛しております(;^_^A)

目の前にあることをきちんとこなそう!という意識を基本に取組みつつ、時間もお金も限られているから効率も意識しなければならない。

私は極端かつ不器用な人間なので、効率に重点を置くと雑になってしまったり、きちんとやることに重点を置くとなかなか進まない。「効率よくきちんとやる」、このバランスは今でも掴めておらず四苦八苦することは多いです。

とにかく、まずはやる→相談するを繰り返しながら取り組んでおります。職場環境に恵まれており本当に感謝です!

社会人になった当初、理想の自分は、「仕事をスマートにこなせる、そして名ハンター」

 

梅ちゃん

 

承認欲求が強すぎて、それを原動力に「夢」をもち走っていたことも事実でした。

空回りが積み重なって、理想の自分と現実の自分のギャップが重たくて、度々病みかけることもありました。気が病もうと、容赦なく時間は過ぎていく。周囲の支えもあり、ダークサイドな自分との付き合い方も少しずつ身に着けていきました。

人生は、永遠にコツコツと積み重ねていくものだ、と悟ってもきておりました。「働く」ことを積み重ねていく先に「夢」がある、そのような想いで働いてきておりました。

 

(5)そして家庭をもつ

 

お腹に子どもを身ごもった時から、180度近く意識が変わり、攻めの姿勢で取り組んでいたのが、一気に守りの姿勢に入った気がします。

いろいろ悩むことがあろうが、以前よりなおさら時間は容赦なくすぎていくし、子どもは容赦なく全力で体当たりしてくる。今は、「働く」の積み重ねの先に「夢」というよりは、「子どもを心身健康に育てる」ことを軸において「働く」という意識になっております。

 

こども

 

今は仕事と家庭を両立しているというよりは、家庭に重点を置いた上でできる範囲で小さく仕事をしているのが現状。自分が家庭を回せるキャパを超えない範囲で働き、それ以上は今は手を伸ばさない。

もしかしたら、またいつか「夢」を追いかけたくなるかもしれませんが、今は、「子どもを心身健康に育てる」ことを軸足に「働く」。子どもには何より、楽しく生きられる大人になってほしい。だからこそ、私も今を楽しく生きる。今は、子どもをたくさん遊ばせて、笑える場をつくるのがとっても楽しいです。

 

こども

こども

(6)あの日の自分がいたから今の自分がいる

 

そんなこんなで、承認欲求から始まった「夢」→地に足をつけて「働く」→「家庭」を築くと、いろんな経緯を辿ってきています。あの日の夢見がちでふわふわしていた自分がいたからこそ今の自分に辿り着いている。

今自分にできることをこなしながら家庭を築いている、これからも楽しく生きていきます!

 

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