いなかインターンシップOBのその後〜村岡さん〜

2019/10/15

 いなかパイプが約10年前から取り組んでいる「いなかインターンシップ」。いなかで暮らしたことがない人にとっては、本当に暮らしていけるのだろうか?と不安だと思います。そこで1ヶ月間、「暮らす」と「働く」を体験してみることができます。

 これまで300人以上の方が参加され、約1割の方が今も四万十で暮らしています。その中のひとり、四万十町で「かっぱバックパッカーズ」を営んでいる村岡さんに、インターン参加からゲストハウスを開業するにいたるまでのお話をお聞きしました。

 

-インターンの参加期間は?

 2011年の4月ごろ。30歳の時です。

 

-なぜインターンに応募したのですか?

 一言で言うと、都会に疲れたから。田舎で人がどんな風に暮らしているか興味があり参加しました。京都のゲーム会社に勤めていたので、ゲームを通じて田舎の生産者をPRできないかと考えました。実際田舎で暮らしてみて、ゲーム制作をやってみたものの、現実的じゃないと思って辞めましたが。

 

村岡さん

 

-インターン中はどんなことをしましたか?

 主に農家さんのところで農業のお手伝いをしました。四万十の絶景を見ながら農業することに開放感を感じました。それまで自分がいたゲームという世界と全くフィールドが違いました。インターン生の宿舎(古城小学校)で地域の人と一緒にごはんを食べたりお祭りに参加したりといった交流が楽しかったです。

 

インターン

 

-インターン後はどんな暮らしを?

 インターン後は四万十に残り、農家さんの手伝いへ行ったり、ゲームを作ったりして過ごしました。その後、高知県内の生産者がどのような暮らしをしているか知りたくて、県内のあちこちを巡りました。そうやってあちこち行ってみて、やっぱり四万十が自分には合っていると思って戻ってきたんです。高知はどこでも自然があり、食も豊かですが、やっぱり決め手は人でした。

 

-現在はゲストハウスを経営されていますが、そのきっかけは?

 四万十へ戻って来て、移住相談員の仕事をしました。いきなり移住というのはハードルが高いので、気軽に来られる仕組みが必要だと感じました。移住相談員の後に観光協会で1年間働いてみて、観光資源はあるけど泊まる場所が十分でないことがわかりました。

 2011年に参加した「いなかビジネス起業支援プロジェクト おまん何がしたいがぜよPRPJECT」の同期にかつおゲストハウス( 高知市内のゲストハウス)の女将(安澤真希さん)がいて、空き家を使ってゲストハウスをやるという話を聞いて、面白いなって思っていました。女将に相談し、今後旅行者はさらに増えていくだろうという見込みもあり、自分もゲストハウスをやってみようと決意しました。かつおゲストハウスに大工さんを紹介してもらったり、お互いお客さんを紹介し合ったりして良い連携ができています。高知の都会と田舎の両方を体験してもらえたら嬉しいです。

 

かっぱバックパッカーズ

 

-ゲストハウスのオープンから3年が経ってどうですか?

 3年やってみて見えてきたことが多いです。だんだんリピーターが増えてきたり、宿の目の前を予土線が走っているので盛り上げる活動をしていたらJR四国さんから連携の話が来たりとするようになりました。

 最初の頃はゲストハウスがどんなところか地域の人にわかってもらうことが難しかったのですが、1年が過ぎ、テレビや新聞などのメディアで取り上げてもらうようになってようやく地域の人にも認知されたように思います。交流が好きそうなゲストには、近くのおんちゃんが集まる食堂を紹介すると、お店の人やおんちゃんたちも「かっぱに泊まってるでしょ」と話しかけてくれたと喜んで戻って来ます。みんなで郷土料理をつくる会をやったり、近所の人を呼んで飲み会をすることもあります。ここを拠点に滞在しながら、四万十の暮らしを学んでもらえたら嬉しいですね。

 

-ゲストハウスの魅力はなんですか?

 ゲストハウスの醍醐味はやっぱり交流ですね。一番仲良くなるのは、一緒に食べて飲むこと。インターンの時にも楽しかったのは、地域の人やインターン生と一緒にごはんを食べたこと。年齢問わず交流できて、情報交換できるのがゲストハウスの魅力だと思っています。

 

-いなか暮らしに興味はあるけど踏み出せずに悩んでいる人へ一言お願いします

 いなかでやりたいことをひとつ決めてきたら良いと思います。来てわかることもありますが、何をしたいかわかってるとより良いと思います。

 誰も知り合いがいない土地へ一人飛び込むのはハードルが高いので、ゲストハウスに泊まったり「いなかインターンシップ」のような研修に参加したりすると、地域の人とつないでくれるのでスムーズに地域に入っていけると思います。あと、自己PRできたらいいですね。どんなことに興味があるのか、何をしたいのかを伝えられると、応援してもらえると思います。

 

 以上、いなかインターンシップOB・村岡さんのインタビューでした。

 インターンシップはあくまでもきっかけ。でもきっかけがあるからこそ、その次につながっていくし、どうつなげていくかは自分次第なのだとお話を聞いて思いました。

 もっと村岡さんのお話を聞いてみたい!という方はぜひ「かっぱバックパッカーズ」に泊まりに行ってみてください。

 いなかパイプのインターンシップは、1ヶ月だけ体験してみたいという方も、働くことを前提に試してみるという方もどちらも受け入れています。自分の人生を考えるきっかけとして、気になった方はお問い合わせください!

 

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