四国八十八か所お遍路 〜まもなく 1 年〜

 女性専用の民泊&へんろ宿 「シェアハウス土佐指南家」おかみのレイです。2020年2月に四国八十八か所巡拝を始めて、まもなく1年になります。

 

 讃岐(香川県)で生まれた空海(弘法大師)が、四国で修行を行ったと伝わる88か所の寺々を、弘法大師の足跡を訪ねて巡拝することを四国遍路といいます。
 四国遍路の起源は平安時代の修行僧といわれ、室町時代から江戸時代初期にかけて庶民にも広がり現在まで続いています。長い歴史があることを知りビックリでした。

 

 徳島は第1番から23番までで発心の道場、高知が第24番から39番までで修行の道場、愛媛が第40番から65番までで菩提の道場、香川が第66番から88番までで涅槃の道場といわれ、全行程は約1400kmに及びます。

 一昨年に亡くなった義母が、生前によく四国八十八か所のお遍路に行きたいと言っていました。自分達も興味はあったものの日々の生活に追われ、義母の思いを叶えることができないまま過ごしていました。

 

 それから半年後・・昨年1月末に土佐指南家の最も近くにある第30番札所善楽寺の大祭に参加しました。

 大祭後に住職さんに偶然お会いでき、四国お遍路の進め方や準備などわからなかったことを思い切って聞いてみました。女性住職さんが、快く丁寧にお話しくださり、即座にお遍路の実行を決めました。それが、お遍路開始のきっかけとなったのです。

 

お遍路1

 

 お話によると自分達のように家族とのお別れなど、みなさんいろいろな理由でお遍路を始めているそうです。

 思った以上に束縛されることがなく、自分のペースで無理せずにできることを知り、気持ちがほぐれていきました。亡き義母が縁を繋いでくれたようにも感じました。

 振り返ってみると、気になっていたことを住職さんにしっかりと聞いてもらえたこと、丁寧に教えて頂いたことで、気持ちがすっきりして決断できたように思います。長年のわからないことの一つが、ようやく解決できました。

 

伊予歩き

 

 札所のお寺でお遍路用品を購入できることも聞きました。俗世を離れて心の清らかさを象徴する浄衣といわれる白衣は、昔は整備された道もなく巡礼中に行き倒れた人も多く、死装束として白い着物をまとい巡拝した名残とも伝えられています。

 白衣、輪袈裟は絶対ではなく、購入しなくても巡拝できます。白衣も上下にわかれていて、上着タイプだけを私服の上にはおることもできます。

 通販でも購入でき、1週間ほどで準備でき、便利な時代に感謝です。白衣、輪袈裟、経本、納経帳、念珠、ローソク、線香、納め札などを揃えました。

 

 一番のお気に入りは、善楽寺で見つけた背中の同行二人(どうきょうににん:弘法大師と常に一緒に巡礼しているという意味)の文字がピンク色の白衣です。お寺の手ぬぐいもピンク色の絵柄で、気になるグッズが多く置かれています。
 1週間くらいで準備が整い、ご縁を頂いた善楽寺からお遍路を開始することにしました。第30番札所善楽寺から開始し、第88番、そして第1番から第29番へと巡拝していくことに決めました。

 

伊予海

 

白衣

 

 2月から始めて、まもなくコロナ感染予防のためお遍路を中断して、第61番札所まで巡拝したという状況です。心を落ち着けるための修行をしているような気分です。どうしようもできない事が起きてしまったのだから・・状況を見て進めていくしかありません。

 

 そこで、車で行った高知県内の場所を自転車と歩きで後日訪ねることも行っています。車では気づかなかった景色、小道で見つけた石碑、お大師堂などと出会いました。
 天気がよい日は、海がキラキラと輝いて気分爽快です。夏から秋、初冬など季節の変化も遍路道の風景も移行して違う感動を味わうことができます。 

 

 長距離を歩くとヘトヘトになりますが、休みもとりながら自分を奮い立たせて目標のお寺までたどり着いた時の達成感は半端なく感慨深いものです。

 また、白衣と輪袈裟スタイルはお遍路さんだと一目瞭然のようで、すれ違い時に会釈してくださったり、励ましの声かけをいただくこともよくあります。日常ではできない経験でした。

 

高知海

 

伊予海2

 

 自分と向き合う時間ともなり、日頃悶々としていたことがそれほどでもなかったと思うように変化することがよくあります。

 また、もうすぐ巣立ち自立しようとしている子ども達との思い出が、溢れだしてくることもあります。泣いたり笑ったりの日々が懐かしく、自分自身の親もこんな気持ちだったのか?と思うことも・・・こうしてお遍路できることに感謝の日々です。

 家族が元気で日常の生活ができることのありがたさ、お遍路で歩きながらひしひしと感じるようになってきました。

 

 そしてこれまで出会って来た方々とのやりとりなどを思い出したり、皆さんに支えられて今の自分があること、それに対して素直にありがとうと言いたい!そんな心境です。

 若いお遍路さんも増えてきています。四国霊場は良きスピリチュアルスポットだと聞いたことがあります。確かに気持ちが浄化されるような清々しさがあります。

 

遍路景色

 

石鎚

 
 コロナ感染予防、これまでとは異なる時代への変化の中で、人との関わりや優しさは忘れずにいきたいです。そして現在まで続いている四国遍路について、後世まで継承したいです!!

 四国のお遍路文化、お遍路さんに自然体で優しく接待する文化を多くの方に伝えたい、できれば体験して頂きたいですね。そのためにも、自分自身が88か所を無事に巡拝することが2021年の目標でもあります。

 達成するまでもう少し時間がかかるかもしれませんが、慌てず穏やかに柔軟に対応していくように心がけていきます。

 

 積極的に民泊利用をすすめにくい状況ですが、変化に応じた他の利用方法なども模索していきます。滞在型のリモートワークスペースでのご利用や貸し切りで家族でのご利用など予約状況をみて検討していきますので、事前にご相談ください。

 土佐指南家は、お客様との出会いを大切にしていきます。

 

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    • 和田玲子