移住者が田舎で選挙に出てみたど!
- 執筆者 南澤克彦
- 所 属Cafe iegoto
2021/03/06
前回の話はこちら。さてはて、11/15に結果が出ましたよ。(すっかりご報告遅くなりましてスミマセン) 本文最後に発表します。
「移住者が田舎で選挙に出る」ってのは一言で言えば【暴挙】です。田舎具合にもよりますが、基本的に地縁・血縁がモノ言う世界。そうでなくとも、人はみな自分が知っているモノを贔屓する傾向があります。
「中学校の同級生」
「アニキの部活の先輩」
「親同士が知り合い」
「いとこが嫁に行っている」
「よく店に来てくれる常連さん」
「お父さんが仕事でお世話になってる」・・・etc
どんな付き合いでも構わないのですが、やっぱり身近に感じられる人を応援したくなるのが人情というモノ。とすると、先祖代々その土地に暮らし、親類縁者をはじめ、候補者本人も長くそこで生活していれば縦にも横にもネットワークが広く、大きなアドバンテージがあるわけであります。
ところが移住者の場合は、それがない。タテヨコナナメ何もない。あるのは自分&家族からのつながりだけ。 という圧倒的不利な状況に立候補表明するまで気づいていませんでした。
繰り返しますが「移住者が田舎で選挙に出る」ってのは【暴挙】です。
んでも、オレが出れば通るだろう!という自惚れがありました。オレが議員になったらいい仕事ができるだろう♪という自惚れもありました。
そう。立候補するってのは「自惚れ」を恥ずかしげもなく公表して歩く行為です。
なんと大それたことでしょう・・・。でもそれくらい自信(「過信」と読み替えて差し支えない)がなければ怖くて出れません。(なお、出る決断しても心細くて泣きたくなります。ピエン)
選挙ってのは「自分が自分に感じている期待」を人に伝え、ジャッジしてもらう作業。勘違いヤローなのか、共感してもらえるのか・・・ どっちなのか、自分ではよくわかんないから、とりあえずやってみました♪
田舎だから納屋の2階をスタジオに宣材撮影の図
でもね、一歩踏み出してみると、勇気を讃えてくれる人がいて、力になりたいと集まってくる人がいて、一緒にワクワクしてくれる人がいて、ときどき難癖つけてくる人が現れて・・・ 色々あるけど、「マツリゴト」が始まるわけです。
ママさん&ユースとのお話会 (友人が企画してくれました)
選挙戦の主人公をやってみて思ったことは
①顔と名前を覚えてもらわないことには、選択肢に入らない。
②しかし、選挙期間始まったら、覚えてもらう有効な手段はほぼない。(選挙カーと手振り・演説・SNSくらいか・・・)
③結局のところ、事前準備(政治活動)が大事
④というか、これまでやってきたこと(人生そのもの)がジャッジされる感覚・・・
いやはや恐ろしいことです。
恥ずかしながら私の場合、選挙を意識しだしてから急に行動が「いい人モード」になりました(笑)
【一例】
●車の運転は優良ドライバーそのもの
●レジ待ちも我先は封印して「どうぞどうぞ♪」
●挨拶は高校球児の爽やかさ
●レスリングの選手に劣らぬ腰の低さ
普段からそうしていればいいのに、取ってつける浅ましさよ・・・。それにしても、自分の一生を閻魔サマがお裁きになる前に、自ら進んで市民にジャッジしてもらうってイベントが『the選挙』です。
敢えてそこにエントリーする立候補者ってのは、まさに『勇者』です‼︎ 今までちょっとバカにしてたりして、ホンマすみません。猛省っす、猛省!
しかもこれが4年に一度(地方議員の場合)やってくるとか・・・ その禊を経ているってだけで政治家ってスゴい精神力だなぁ−と思うようになりました。Much respect for 政治家。
いずれにしても、みんなに見られる、ちょっとしたことが批判の的になる修羅の道に敢えて入るってのは、よほどの利権あるのか、はたまた使命感からなのか、あるいは無神経なのか・・・
いやはや。と、ネガティブ要素を書き連ねてきましたが、それでも引けない理由がある人が『覚悟』を決めて出るのが選挙なのでしょう。
おいそれと簡単に出られるものじゃないから、なり手がいなくて無投票とか・・・
そんな状況に胡座かいて任期中、質問もせず、何やっているかわからん人が高い給料もらっとるとか・・・
税金の使い方や社会のルールを手前勝手に都合のいいように決めていくとか・・・
ボクはそういうニュース、誰か悪いヤツのせいにして悪態ついてました。でもそれを許してるのは、ボクらの世代が選挙に出んからかもな・・・と思っちった。
それから、
若い人たちから突き上げがあったら現役議員さん達どうなんだろう?
ヨソ者のたわごとに地元の人はどれくらい耳を傾けてくれるんだろう?
同世代はどれくらい共感してくれるんだろう?
都市部から地方移住を検討してる人たちはどんな風に思うだろう?
と思った。
わからんけーやってみたよー。結果、
Result2020
なんとトップ当選‼︎ でも選挙は基本、現職有利。逆風でも吹かない限り、新人には厳しいもの。今回はその風が吹いてのこの結果。
今のままじゃ、マズい。何とかしなきゃ、って声はそれなりにあると思います。一方で、ヨソ者に何がわかるかーっ!って声も当然あります。
色々な人がいるのが当たり前。広島の地方、2020.11 の時点でのバランスは、投票した方の約10%が、ヨソ者で新人の若者(40代:さして若くないが)を支持してくれました。
全体では、約31%が新人(計5名)を、約69%がこれまでの方(計13名)をそれぞれ支持しました。
3ヶ月前の市長選では60%の方が37歳の元銀行員を選んだ選挙区ですので、改革を望む声がもっとあってもいいかと思われましたが、得票数は新人全体で3割、議席割合では16.6%。同じ有権者でも市長選と市議選とが同じ理屈で動くわけではない、という結果でした。
以上の通り、「移住者が田舎で選挙に出る」ってのは一般論で言えば【暴挙】です。でも不可能ではありませんでした。
さりとて、この先どんなことができるのか・・・ 引き続き、「わからんけーやってみるよー」でございます。またご報告致します。