魚沼産インディカ米栽培記録
こんにちは。新潟県小千谷市、清野憂です。今回は2年目となった田んぼの栽培記録です。
畑での野菜作りは、手伝い始めた移住当初から数えると通算8年?になりますが、田んぼは2年目。こちらも無農薬無肥料の自然栽培です。
中山間地の兼業農家では、手間のかかる小さな田んぼまでなかなか手が回らず、どうしても管理しきれないので、そんな田んぼを3枚使わせてもらっています。
選んだお米は【プリンセスサリー】という、高級インディカ米のバスマティを改良した品種。
あえてこしひかりの産地でなぜインディカ米か?理由は好きだからです。食べたいものを作っていれば手間も苦になりません。
そして前年初めて自分で作ったこのお米は、すこぶる美味しくて香りもサイコーで、それはそれは感動ものでした。
そんなわけで2年目も引き続き、作ってみました。
種籾から苗を作る
昨年は、苗を譲って頂いたのですが、今年は種籾から自分で育ててみました。
種籾ははず塩水につけて選別、その後一定期間浸水させて発芽させます。
ぷくっとして、角みたいなものがピンと出てきました。
これを土に撒いていきます。通常は育苗箱という平らな苗箱にバラバラと撒くのが一般的なやり方ですが、私は一つ一つの苗を独立して育てるポット苗にすることにしました。
しっかりとたくましい苗が育ち、田植の時も根っこのダメージが少ないそうです。
一つ一つの穴に種もみを入れていきますが・・・なかなかしんどかったです。自分で決めておきながら、細かい作業を続けること5時間、10枚分です。
水に漬けて(プール育苗といいます)、水温に気を付けながら芽が出るのを待ちます。
初めてのことなので、昼間は暑すぎるんじゃないか、夜は寒いと死んじゃうんじゃないか、遮光シートを被せたり剥いだり、毎日気になって仕方がなかったです。
でも、無事に芽が出て苗が育ってきました。
種から芽が出るって、何を育てるにも、いつも本当に嬉しいものですね。
田植え
そうこうして約一ヶ月、しっかりとした苗になりました。いよいよ田んぼへ植えます。
ありがたいことに、助っ人が来てくれました。本当に助かりました~。
チェーン除草
無事に田んぼに植えられた苗、根がしっかりと活着するのを見計らって、除草作業を行います。
初期除草の道具として、【チェーン除草機】というものがあります。
一本のパイプにチェーンがつながれており、これを田んぼで引きずって歩くと生え始めの草を除去してくれるという優れものです。パイプにロープが付いていて、このロープを胴体通して引いて歩くのです。
引いている様子は一見、『巨人の星』を彷彿させるものがあります(分からない人も多いかと思いますが)。
なぜか楽しいこの作業。機械化が進み、肥料や農薬を使う慣行農法ではまず見られない様子、周りで田農作業てるお父さんたちは、何やら変わった道具を持ってきた私に物珍しそうに話しかけてきます。
「なんだそれはー?」
「どこで買ったんだあ?」
「いくら位するの?」
「まあいろんなもんよく見つけてくるなあ~。」
「ちょっとやって見せてみろや。」
と、軽く注目を浴びて、気分上々です。
こういった、周りの先輩百姓の皆様方とのコミュニケーションもまた楽しいのです。
いつも楽しそうに遊びながら農作業やってる人間がいたら、その空気が少しは伝染してくれたらいいなと。
また、今年は近くの溜池でタニシを捕まえて、田んぼに入れみました。
タニシ。昔は普通に田んぼにいて、稲刈りが終わった後には捕まえて、食べたりもしていたそうです。貴重な蛋白源でもあったのですね。
そして、タニシは田んぼの有機物を食べて分解してくれたものが糞になって、稲の栄養になるらしいのです。
生長を見守る
そんなこんなで、水の管理をしながら稲の成長を見ておりました。
そして穂が出てきました。
「ああー良かった。ちゃんと稲だった。」
と、ほっとしました。
無肥料だからなのか、品種の特性なのか、周りのコシヒカリはもっと成長が早くてとっくに出穂しているのに、私の稲はなかなか穂が出てこなくて、全部ヒエ(稲によく似た雑草)だったらどうしようと不安になったりもしましたが、稲でした。
それから少しすると、稲の花が咲きます。
たくさんのお米の粒一つ一つに細い花びらが!かわいいです。
あとはだんだんと、お米が成熟していくのを待ちます。
待ちに待った稲刈り
そしていよいよ稲刈りの時期に。
声を掛けたら、手伝いに来てくれた人たち。ありがたいです。
本当はこの時期は田んぼを乾かしておいて、すたすた歩けるくらいに地面が固くなっているのが理想なのですが、終盤はちょっと怠けてしまい、田植えの時みたいにドロドロでした。来てくれた皆さんごめんなさい。
それでも皆さん一生懸命刈ってくれました。
何とか無事に狩り終わって、コンバインで脱穀します。
本当にありがとうございます。
お子さん連れできてくれる人たちも、楽しんでもらえてたら嬉しいなあと思います。
そして脱穀した後の藁は干しておきます。
これは、納豆を作るためです。藁には天然の納豆菌がたくさん付いています。
この藁と、畑の大豆で納豆を作ろうという計画です。
ちなみに昨年のお米の収量は、田んぼの面積約3畝(一反の3/10)で、だいたい40㎏。
反収(たんしゅう:単位面積当たりの収穫量)としては、まだまだ肥料などが普及する前の江戸時代頃と同じ。
一般的な他の田んぼからすると、1/3以下ですねえ。
今年は育苗とタニシの効果からか少し増えて、60㎏位とれました。
明治時代位です。
少しずつ進化しているポレポレ農園。
日々喜びと感動をくれる作物たち。
今後もますます楽しく面白いことをしていきたいと思います。
以上です。前回から時間がだいぶ空いてしまいました。また時間を見て書きたいと思います。