猫が見つけた空き家をリノベ②解体~つくる段階へ
新潟県上越市から、今年も高尾の里山暮らしの様子をちまちまと発信したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ちなみに、年が明けの1月6日現在のうちの周りの雪はこんな感じです。
大晦日と、つい先日で既に2回屋根の雪下ろしをしています。
さて、前回の古民家リノベシリーズの続きをできるだけサクサクまとめていきます(春までに終わらせたい!)
片づけの後は自力「解体」作業!
2018年の夏頃、片づけ等がひと段落し、今度はいよいよ解体作業。。。壁や天井を自力で壊します。そもそも壁を壊さないと、屋根裏部屋の膨大な藁を運び出せないのです。
まさか壊されるとは思っていなかったであろう、しっかり作られた押し入れもあったり、筋交いがあったりで壁ひとつ壊すにしても結構手間取りましたが、ここを開放したおかげで、断然藁が取り出しやすくなりました。
この膨大な藁は敷地内や畑に古い畳ごと放置。放置って言い方はなんですが、要はそのままにしておくと自然に還ります。藁なので(古い畳も余計なものが含まれていない為)実際に1年とたたず、藁も古い畳もほぼ無かったかのように草や土と一体化しており、自然素材の素晴らしさをこんなところで実感しました。
藁の下の方は結構な「煤(すす)ゾーン」でした。屋根裏の床は古い丸太や、ムシロ、細い枝などいろいろ、混在しており、想像以上に未知の世界でした。まさに本当は部屋ではなかった吹き抜け部分に、自分たちでありあわせのものを寄せ集めて作った藁部屋の様でした。壊してしまったけれど、なかなか面白いスペースだったなあ、、、と数年経った今は思い出されます(当時は無我夢中)
この夏の大仕事の藁部屋解体&掃除をやり遂げ、その後他の部屋の壁や天井、床も次々と解体していきました。私たちがやると解体と言うよりは「破壊」がしっくりくるのですが。
そうこうしているうちに、季節は冬に。
古民家改装を始めたからには、もちろん冬囲い、雪かき作業も自宅と合わせて全て2倍。
解体も明らかにペースダウンしましたが、冬の間も通い続け、水道電気ももちろんまだ通っていないので、雪を灯油ストーブの熱で溶かしながら梁を磨いてみたり、ただでさえ隙間だらけの古民家をさらに解体して風邪通りを超よくしてしまったが為に、冬の間は寒すぎて本当にちょこちょことした作業しか出来ません。
2019年、改装作業も2年目に!
寒い冬を終え、季節は春に。この時点で昨年散々行っていた壁や天井の解体は結構進んでいましたが、後回しにしていた簡単には壊せそうにない場所に取り掛かりました。
例えば風呂釜が埋め込まれている風呂場周りや、かつて増改築した場所の床などもしっかり施工してあったので結構手間取りました。
脚立やはしごを駆使して、なかなか届きにくい階段上の天井なんかも、地味に一枚一枚剥がさなくてはいけない系の天井だったので一苦労。
土壁が残っている場所も、あえて一部残すか迷いましたが、段々と周りを解体していると、崩れてきてしまった事もあり、結局全て撤去しました。ここは最後まで結構迷ったのですが、仕方ない。。。
ハッキリとした決まりが無く、全て自分たちで考えながら、時に方向転換したりする作業は想像以上に時間がかかります。
その後の「つくる」段階も益々そんな感じになりますが、頭で考えている事は眼には見えないので、はた目には全く進んでないような時期も沢山ありました。
「いつまで壊してるんだ!」と突っ込まれそうですが、この段階も自分たちでやらずに業者に頼めばもちろんお金はかかります。
片づけ、解体は地味ですし、私たちのような体力もない素人が、プロの方やラグビー部員の方(よくわからない例えですが体力のある若者たち)がやるのに比べたら、死ぬほど時間がかかります。段取りも悪いし。
あの頃の口癖は
「ラグビー部員が10人くらい合宿に来てくれれば、、、、」
「家の猫が皆1日でいいから人間になってくれれば、、、(猫は6匹います)」
でした。
そんな無駄な妄想をしながら、実際はコツコツとカメさんの歩みではありますが、進めておりました。
そうこうしているうちにまた季節は廻りまた雪に、、、(一年があっという間!!)
2019年末!いよいよはじまる「つくる」工程!!
2019年終わり頃、正式に設計事務所さんと契約をして、何度か下見や、打ち合わせ、予算の相談等々を経て、見積もりなどだしてもらい、年明けから本格的にプロの手が入る改装工事が動き出す事になりました。
その前に、私たちの初の解体以外の作業が、、、ついに「つくる」段階に来ました~。
まずは、コンクリートの土台作り。場所は旧台所があった場所です。
ここは改装後には「屋外」になるところで、当時は土台が土だった為、解体で出たガラ等を敷き詰め、その上にコンクリートで固める作業をしました。
といっても仕上げはほぼ、ご近所の左官経験のあるお父さんに頼んで、左官作業をしていただきました。傾斜を微妙につけなくてはらなない作業はひたすら「均す」作業で手一杯の私たちにはレベルが高すぎて、、、セメントを運ぶ作業と、とりあえず均す作業を頑張りました。
そして年を越し2020年1月中旬頃から基礎部分や床土台などを補修・施工してもらうためついに大工さんが入りました。
雪が災害級に「少なかった」2020年
この年は、私たちが覚えている限り高尾に来て初めてではないかと言う位、めちゃくちゃ雪が少ない冬でした。
雪が多くて困る事はもちろん多いですが、少なすぎても、異常気象なので単純に雪が少なくて楽だ!と片手間には喜べません。実際に次の年はいつもはそれほど降らない街の方が大雪が続いて、日常生活に支障をきたす事態になりました。
そんな「小雪」の2020年1月でしたが、改装に関しては大工さんに毎日通ってもらうには随分助かりました。
朝から夕方まで、ほぼ専属で一人の大工さんが通って下さり、みるみると家が手を加えられて、「つくられて」行く様は、感慨深かったです。
散々必要とは言え壊されて(私たちに)どうなっちゃうんだろうと内心思っていた古民家に、新しい土台や柱、床の下地が出来ているのです。当たり前と言えば当たり前ですが、プロが入ると仕事が早いし、何とも言えない安心感がありますね。
邪魔にならないよう、大工さんが入っている期間は大工さんがお休みの日に片づけなどでちょこちょこ古民家へ。一時古民家がちょっと私たちのものではなくなったような寂しさもして、なんとも不思議な感じでした。
そんな時にした作業は天井のペンキ塗りと、土台に防湿シートを引く作業でした。塗ったのは元は一階座敷二間の場所、改装後は台所、廊下、ストーブ部屋になる予定の場所です。
1月中旬から入ってもらった大工さんの作業も3月中頃で終了しました。
基礎などをプロの方にしっかり直し作ってもらうことで、私たちも安心してこれからの作業が行うことができます。本当にお世話になりました。なにかあったら連絡してねと言い残し颯爽と帰っていく姿がとってもカッコよかったです。
そんな訳で、2020年春からついに、私たちは大工さんの手を離れ、自分たちで「つくる」作業に入りました。
詳しくは、まだ電気・設備関係の業者様にはお世話になるのですが、木工事などはもう自力でやる段階です。
この後とんでもない助っ人にお世話になる事になるのですが、当時はそんな予定も予想もなく、自分たちでつくるとは言ったものの、片づけ解体に2年、完成するのは果たして何年後??と不安と、もちろん希望もありましたが、フワフワモヤモヤソワソワしきりだったと思います。
そんな私たちのいよいよ本格的に始まった今度こそ「片づけ」でもなく「解体」でもなく「改装」の様子は、また次回に続きます。