猫が見つけた空き家をリノベ④セルフビルドの極意「開き直る」「空想を楽しむ」「とにかく遊ぶ」
新潟県上越市の標高300mの里山「高尾」。私が小学生の頃に越してきて、約30年。ほぼほぼ地元民だけど微妙に「移住者」な我が家の暮らしの様子を、ゆるーくお届けしております。
現在暮らす築150年の古民家を2018年~約4年かけて、家族中心で改装したシリーズも4回目です。
今回は主に2020年に行った内装作業の様子をまとめました。なんだか毎回長くなってしまうので、時間のある時にゆるゆると見ていただけたら嬉しいです!
古材を復活させる
内装する際にこだわったのは、「この家に元々あった古板」をふんだんに使おうという事です。
特に長年畳の下にひかれていた古板、屋根裏部屋の藁の下に埋もれていた板や丸太は何とも「味」があって、解体当初から「絶対に使ってやる!!」と思っていました。
畳の下にひかれていた古板は塗装し直さなくても自然なつやがあり、これは1階の1番見晴らしの良い部屋に是非使いたいと思っていました。
私たちがやると絶対ガタガタになって古材の良さが引き立たない施工になるところでしたが、トクちゃん(ご近所の大工さん:ボランティアにて改装の主要メンバー)に板を合わせて切ってもらったりしながら、とっても良い感じに仕上がりました。
後は装飾の部類に入るのかもしれませんが、ベニヤ板を貼った上に形がイロイロな古材や丸太風の板を貼ったりして思いっきり遊びました。
こんな素敵な板達が隠れていたなんて、もったいなさ過ぎ!
天井でも遊ぶ
壁にこだわったので、そうなると、天井も気になるところ。天井まで板張りは流石に板まみれでしつこい気もするし、そもそも難しすぎる。ただボードを貼って、壁紙を貼るのも違う気がするし、ペンキを塗るにしても一色をただ塗るのもなんだかつまらない。迷った末にでた結論は・・・
ペンキで模様を描いちゃえばいいんだ!!
天井は、ペイントをする際に一番面倒くさい場所です。下に物があると、ずらしたり、ペンキが垂れるのを配慮したりしなくてはならず、何より上を向きながらの作業は首や腕の疲労が半端ではありません。
実際自宅で散々部屋のペンキ塗りをしていたので、その事は重々承知しており、なので、まだまだ山ほど内装でやる事はある最中でしたが、あえて天井塗りは「後でまたできるから」と、とりあえずサッと塗るのではなく、考えて考えて、これだ!と思う納得いく模様を塗りました。
そうはいっても、結構行き当たりばったりで図案も何も考えてないのですが。。。
最初の部屋の天井を凝ったおかげで、その後もたびたび「自作天井アート」を楽しむ時間がとれました。早く仕上げなきゃって気持ちは常にあるけれど、楽しむことを忘れてしまうと、それはただの「工程・過程」下手すると「仕事」になってしまいます。
せっかくのセルフビルド、やりすぎDIYなのですから「遊び」がなければ意味がありませんよね。
浴室を一から作る
内装作業で結構大掛かりだったのは、浴室作りです。
浴室床下に砂を敷き詰める際には大量の砂が必要で、何度か軽トラを往復させ砂を運び、バケツなどで何日もかけ少しずつ室内に運びました。その後に砂を「水締め」したり、発砲剤を下に敷き詰め、網を貼ったり・・・
何工程も経て、いよいよ浴室床をコンクリ施工する日。生コン車で運ばれてきた、コンクリートは、砂や砂利のように「とりあえず置いておこう」なんて事はもちろん出来ず、固まる前に、一気に運び、均さなくてはなりません。
とにかく時間との勝負です。流石に私たち家族だけでは追いつかないので、友人たちやご近所の方々に手伝いに来てもらい、皆で手分けしてバケツリレー係、均し係と作業を進めました。
砂を入れた状態のままの頃は猫たちが余計なひと仕事を増やしてくれました・・・
コンクリート施工した後は、床をモルタルで傾斜をつけて均します。浴室は水の流れが重要な場所。そんな場所を施工するにあたり、今度はトクちゃんの知り合いの左官さんを紹介してもらい、施工してもらいました。
また、浴室窓は始めは元々個室に付いていた窓をそのまま使う予定でしたが、急遽不要になった二重サッシを数枚頂けることになり、そちらを利用する事に。浴室なので、二重サッシで断熱の効果も上がり、窓も1つの予定が、頂いた窓を2方向に使い換気もよくなり、大変ありがたい結果となりました。
元は個室だった場所を一から浴室に作り変える事は、分かっていたつもりですがとっても大変です。沢山の人達に助けていただき、無事に完成する事ができました。ただただ感謝するばかりです。
無事に床ができた後は、トクちゃんと板張り続行
漆喰塗りはきちんとやらない方がしっくりくる
左官さんや内装業者さんのように漆喰を綺麗に塗ったり、美しい模様にしたりは憧れますが、しょせん行き当たりばったりの素人な私たちがそれを見よう見まねで出来る訳がありません。
真似しようと思えば上手くいかない事でガッカリしたり、イライラしたり。だったら始めから滅茶苦茶やっちゃえ!!という事で、、、、
もはやコテも使わず、手で塗りたくる作戦に。これが仕上がると意外と良い感じに(個人の意見です:笑)
漆喰で塗装する場所は壁や天井と、結構広範囲。何日にも、何回にも分け行いました。
ここでの注意点は今更ですが、漆喰は石膏ボード等の素材にはしっくり一回で馴染みますが、ベニヤや木材には「灰汁」がでて不向きだという事。そして、のちに剥がれやすかったり、浮いてきたり。
しかし、我々はそんな事はお構いなしに
「ここも塗っちゃえ」
「ペンキ塗る予定だったけど、良い感じだからここも漆喰しちゃえ」
と無計画に塗りまくってしまったのです。
なので、現在若干剥がれたり、明らかに触ると壁から漆喰が浮いてるなあ、という場所もありますが、それも剥がれたらまた直せばいいし、今度は板を貼ってもいいかも、と楽観的に考えるようにしています。自分で作ったからこその融通が効くいい点です(失敗も勉強になります)。
ハイテクマシンで床を貼る
広範囲な作業は床もしかり。ほぼすべてにおいて床は貼らなくてはいけません。面積にすると、、、、うーん計算できませんが結構あります(適当)
ここではインパクトドライバーでもなく、トンカチでもなく、私たちが初めて使うハイテクマシーン「フィニッシュネイラー」が大活躍。
コンプレッサーの空気圧でタッカーのように針が「パシュ!!パシュ!!」と勢いよく打ち込まれるのは、初めはなんだか扱いが怖いのですが、よほど変な扱いをしなければ大丈夫な安全装置も作動するので、なれると結構楽しい作業です。
ただ床を張るといっても、全てがキッチリ真っ直ぐそのまま板が収まるわけではなく、壁貼りの時も同様でしたが、途中に柱があったり、まっすぐではない箇所も多く、ここでもトクちゃんの細工が大変助かりました。
大御所?薪ボイラー&薪ストーブの設置
できるだけ自分たちで、お金をかけずにリサイクル、廃材利用し改装していますが、どうしても欠かす事の出来ない「大御所」達もおります。それは「薪ストーブ」と「薪ボイラー」です。
薪ストーブは、旧自宅でも約30年間使い続けており、その利用価値の高さは保証済み。こちらの古民家でも絶対に使いたいと思っていました。
そして新規参入?の「薪ボイラー」は、その名の通り薪を燃料としたボイラーです。
薪を燃やすことによって、ボイラーの内部を通る水をあたため、お湯を作ります。そのお湯が、台所や洗面所や洗濯、そしてお風呂のお湯として使用できます。いつか使いたいなあと思っていたので、この古民家改装に当たり、いざ導入する事に。
セルフビルドといっても、安全第一。薪ストーブを設置するにあたり、旧自宅の薪ストーブでお世話になった専門業者さんと、これまたトクちゃんの仕事仲間でもある知人の板金屋さんにえんとつや屋根の処理等依頼しました。
※薪ボイラーの設置時の様子などは「キリギリスな移住者の秋の恒例作業」のページでも紹介しております。
2021年まさかの2拠点生活へ???
2020年の終わりにはようやく電気、ガスも開通しました。1階部分の内装はなんとなく完成してきており、後は2階の個室や屋根裏部屋回りを残すばかりに。
ここで「2軒分のガス代がもったいない!」という事で、当時の旧自宅のガスを止めて、台所関係は全て古民家に強制連行し、それと共に母と犬、少し遅れて父がまだ未完成な古民家へ仮引っ越しするという荒行に。
旧自宅には私と猫6匹。私は作業と主に夕食時には古民家に通い、普段は旧自宅で猫と過ごすというよく分からない2拠点生活に(徒歩1分の距離:ちょっとした離れ?)
という訳で、当初シリーズは4回にする予定でしたが、やはり終わりませんでした。
2021年の主に2階の改装の様子と、シェアスペースオープンまでの様子は次回、シリーズ⑤完結編にて!!