古民家暮らし3年目〜どうなった、リノベのその後?の話。
新潟県上越市のちょっと小高い里山「高尾」地域から、日々の暮らしのできごとを細々と今月も発信させてもらいます。
「ちょっと小高い」とは高尾地域内は全体的に坂道なので一番上の民家と下の民家で標高は微妙に異なるのですが、大体「東京タワーのてっぺん位」(333m)と思って下さい(分かりやすい?づらい?)
ちなみに「高尾」と聞くと東京の「高尾山」が有名ですが、高尾山の標高は599mだそうです。実は高尾の民家が集まっている場所の標高は東京タワー位ですが、実は高尾にはその上に「伏兵山(ふすべやま)」という山があり、そのてっぺんまで行くと、標高は556m程なのです。
なんだかんだで、同じ「高尾」同士?ちょっと似ているところもありますね、、、、って、なんかややこしさの極みでスミマセン。何かと東京と紐づけたいのは、ただの個人的な趣味です。
この位置からだとポツンと、、、ですが20数軒ちゃんとありますよ!!
前置きが長くなりましたが、、、前回までの【古民家リノベシリーズ】も無事に?終了したので、今回は番外編的に完成後、暮らし始めて3年目の今年までに感じたあれこれをお話ししようと思います。
なんかよかったコト① 奥まった場所が思ったより過ごしやすい!
「奥まった」って何よって感じですが、↓をご覧の通りこの古民家はちょっと敷地内の坂道を降りた所にあるので、本道の道からも距離があり、他の民家からもほぼほぼ見えない、なんとも「奥まった」場所に位置しているのです。
道から下に降りていくので「穴倉に入る感じかなあ?窮屈に感じないかなあ?」なんて以前は勝手にイメージしていたのですが、それは全くの勘違いで、降りてもそれはそれで景色もなんだかよいのです。
家の前から道を見上げたところ。
家の中から。天気の良い日は遠方の街まで見える。
ちょっとやらかしたカモ① 漆喰塗りの後遺症
よかった事と失敗した事、交互に行きます(笑)
これは、改装中にすでに感じていましたが、漆喰の塗り方&塗る場所ですね。
ちゃんと調べればどこにでも注意書きはしてあるのですが、あの頃は「早く作らなくちゃ!!」が先走って、漆喰を塗るときも、本来塗る予定ではない場所まで「ええい!塗っちゃえ!!」と塗りたくっていました(いやな予感しかしない)。
その結果、乾いてくると白い漆喰が茶色かったり黄色みを帯びてきたり、おかしな様子に。これは本来木材等に漆喰を塗る際は下地を塗ればよいところをそのまま塗った為に「灰汁(あく)」が出てきてしまったのです。
そんな灰汁に悩まされつつ、もう一度上から漆喰塗って隠しちゃえ!なんならペンキ塗っちゃえ!というトンデモ解決法をとりました。全く解決にはなっていません。下地を塗る工程をした方がよっぽど手間もコストもかからなかったのに。
漆喰のやっちまった!はまだ続きます。
柱に塗った漆喰が浮いてヒビが入っています。
色はとりあえず保てた(?)ものの、暮らしていくうちに、石膏ボードに塗った漆喰は問題ないのですが、ベニヤ板やまさかの柱、木材等に塗りたくった漆喰はしばらくしたら中に空洞みたいになってる場所が出てきて(浮いている)下手に触るとポロっと剥がれてしまうのです。
色だけでなく、吸着に関しても下地は必須だと実感しました。
とはいえ、剥がれたら剥がれたで「また塗るか(下地もね)」もしくは「この機会に違う装飾にしてみるか」と言った具合に、対応しているので、今のところそれほど困ってもいません(セルフビルドのいいところ)
なんかよかったコト② 梁を活用した事
とにかく、天井の梁などを隠さずにむき出しにしたのは大正解。見た目の事はもちろん、この梁は猫にとって最高のキャットウォークになりました。
この古民家の梁は近所の100年150年200年越えのもっと立派な古民家からしたら「細い」そうなんですが、私たちからしてみたらとても太く素敵な梁です。見上げるたびに、柱と共に家を支えているんだなあと実感できます。
最近はもう少し梁で「遊ぶ」余裕が出てきて、ハンモックを吊るしたりしています。猫だけでなく人間も梁で楽しみ中。なんならブランコもそのうち吊るしてもいいかも。
ちょっとやらかしたカモ② 浴室の床
元々は和室だった場所に、一から作った浴室。全体的に言えば「失敗」ではないのですが、ただ一点、床の仕上げでやらかしました。
当時結構床の処理は悩んでいて、コンクリートをひいた後にモルタル塗装で傾斜をつけて、、、、まではよいのですが、流石に床このままは無機質だし、スノコ板を置くにしても、このモルタル塗装の上にタイル貼るか、浴室床に貼るクッションシートなんてのもあるらしいからそれにするか迷いました。
タイルを貼るにしても傾斜をまたしても考えなきゃいけないし、シート的なのはしっくりくるものが無くて(そしてお値段も)。だったら、色塗っちゃえばいいんじゃね?という安易な発想でまさかのペイント仕上げにしてしまいました(とにかくペンキLOVE)
安易とはいえ一応それなりに調べて、ペンキが剥がれないように下地にシーラーを塗り、ペンキも2回塗りしましたが、漆喰で手抜きした「下地塗り工程」をこんなところで披露したとて、ここは浴室。
何度か使用するうちにもう初期の頃から常に水の流れる、しかもゴシゴシ洗う場所の床は誰もが予想する通り、じきに塗装も剥がれてきました。
下地シーラーもまさか浴室(しかも床)に使われることなど想定していないですし(詳しくはダメですし)。居住3年目にして、現在はタイル的なものを貼ろうか思案中。
なんかよかったコト③ 夏ちょっとトクしているかも?な家
これは古民家あるある?よく聞くかもですが、夏が思いのほか過ごしやすい(涼しい)時間帯が多いです。常に涼しい~っていう訳ではないですし、部屋の場所にもよりますが、明らかに旧自宅で耐えられなかった暑さをここに来て感じたことがありません。
家にずーっといると気づかないのですが、シェアスペースに来たお客様が来たとたんに「スゴイ涼しい!」と感激されることもしばしば。
「なんだか今日は流石に暑いなあ・・・」と思いながらいたので、そうかこれでも涼しかったのか、、、とちょっと得した気分に。
エアコンをガンガンかければ暑さはしのげますが、環境にも身体にもお財布にも、よいとは言い難いですし、何も使わなくてもなんかちょっと涼しい、なんかちょっと過ごしやすいくらいの気温であれば、それに越したことありません。
そして、お気づきかと思いますが、その反面、、、、そうです冬は寒いです。でも寒いと言っても寒いのは、ほら、まあ誤魔化せますから、、、イロイロ駆使してね(モゴモゴ、、、)
ちょっとやらかしたカモ③ 蛇口をケチった事
いくらコストを下げないといけないとは言え、台所洗い場や洗面所の蛇口などの水道関係のパーツの一部をネットオークションなどで比較的安価な外国産の物にしてしまったのは、ハッキリ言って「やらかし部門」の上位に食い込んでいます。
水圧の問題とかもあるのかもしれませんが、台所シンクの洗い場にて、ある時から使っていると水がタクタク蛇口の接続部分から漏れ出して、そのうちに今度は妙なドブ臭さが。
なんだか怪しいと、台所洗い場のシンクで隠れている床を見たら乾いては濡れを繰り返したらしき黒ずみ跡が。見えてる部分だけもれていた訳ではなく、下の接続部分から既にもれていたのです。
これは結局どうにもならないので、配管等で関わってくださった業者さんにも見てもらって、ちゃんとした部品取り寄せをして何とか事なきを得ました。
しかし怪しい蛇口(もろもろ)の場所はまだ他にも何か所かあり、今のところそれほど漏れていなかったり、使用頻度が台所ほど多くないので、やり過ごしていますが、、、、うーーーんいつか替えなきゃいけません。
なんかよかったコト④ 古材、廃材を沢山使った事で生まれたまさかの効果効能
コストを下げて尚且つ+αになった事は、なんと言っても古材の活用です。
破棄されるはずだった材木や、解体時に出た畳の下にひかれていた古い板などを、新たに壁や棚や、飾りなど、使える場所にはとことん使い倒しました。
その結果、壁の古材と相まって、床は一応B級品と言えど新し物を使ってますが、暮らしはじめてじきに、汚れたりキズが付いたりしても、古いものに囲まれているせいか、そんなキズも汚れも「この床も古材だっけ」と錯覚したり、それほど気にならないので、精神衛生上にもよい気がします(人によりますよ?)
古材の効能?になっているのかは分かりませんが、シェアスペースを利用する方から多く聞かれるのは「落ち着く」「初めて来た気がしない」「時間を忘れてしまう」というお言葉。
これも絶対にそんな古材効果がでているのでは??と勝手に思っています。
なんかよかったケド、ちょっと不便カモな事
無理やりどちらかにしても良かったんですが、これはなんだか分けられなかったので、、、電気・照明関係ですね。
私の部屋は昼間でも大体「闇」です。。。
場所柄か、凄く落ち着く古民家なんですが、日当たりが抜群に良い訳ではありません。家の中は日中でも電気が必要な場所、雨天などの日には一日薄暗い事はザラです。
これは「日差しが当たらないので夏は過ごしやすい(先ほどの涼しいに通じますが)」「落ち着く」「日光アレルギーや日差しに弱い人には住みやすい(母がそうなんです)」など良い点も多く、その反面「日中でも暗い場所が多いと電気をつける事が多く電気代がかかる」「洗濯物が乾きにくい」「冬は雪が解けにくい」などのマイナス面も。
洗濯物は冬場は薪ストーブがあるので、その熱で乾燥したり、梅雨時期などは、乾燥機や除湿器を使ったりできます。
電気はこまめに消すようにして、必要以上に使わないように心がけたり、雪は必要であればどかせばいいし、溶けなければそれはそれでそのままにして気にしない!!って感じに全然カバーできるので、照明関係電気関係は、結果よかったコトにしときましょう(笑)
結局のところは考え次第
全体的に今のところよかったコトの方が思い浮かびますし、もちろん失敗は探せば山のようにありそうですが、後々カバーできる事や、考え方次第でプラスになる事も。
あとは命に関わる事ではなければ、気にしないマインドで乗り越えられる様になったのが、この改装の一番の収穫かもしれません。
改装の「その後」いかがでしたか?今後5年10年、、、、うん十年と住み続けるか、、、、分かりませんが、その時々で色々出てくると思います。その様子も、またこうして書けたらなあなんて思っています。
ある日の室内。暗いけど快適です。。。
古民家の片づけから始まる改装中のもっと詳しい様子は、だいぶさかのぼりますが、当時Facebookでも随時更新していました。興味のある方はそちらも是非「さかのぼって」ご覧下さい♬
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