月の名所桂浜で月光浴
宿のゲストさんに、高知の観光地を案内するとき、提案のひとつとして、よく「桂浜」を推します。県の観光ガイドブックにも必ず載っていて、高知の名所として訪れて損はない景勝地です。
と、いうと、ゲストはすでに訪れていたり、高知が初めての人は興味を持ってくれたりします。坂本龍馬の銅像がある、というのも、桂浜が観光地たる理由の一つでもありますね。
しかし、その桂浜、実はもう一つの顔があります。それは… 全国でも指折りの月の名所でもあるんです!! と、いうと、ゲストの方々は意外だと驚かれます。坂本龍馬のネームバリューが強すぎて、月の名所であるということが、その陰に隠れてあまり広まっていないのかもしれませんね。
ということで、来る中秋の名月の日に、実際に行ってまいりましたので、その魅力について語ってみたいと思います。
さすが月の名所の桂浜! 中秋の名月にあたる日は『観月会』なるものが開催されていて、午後17時30分頃に桂浜へやって来た私ですが、平日の夕方だというのに早くも駐車場へと車が流れ込んでいました。とは言っても、知る人ぞ知るという大々的なイベントではないようで、どちらかというといつもよりやや多い程度です。
先例にならい、やはり坂本龍馬の銅像を仰ぎ見て、坂本龍馬のノンアルコールビールを買い、まるで初めて桂浜へ訪れた観光客のように一通り浜を練り歩きます。
車のため、なくなくノンアルコールです。
浜辺では、すでに多くの観光客が粛々と観月の準備をしていたり、係の人が遊歩道に和燈篭を並べていたり、テレビ局が生中継のために取材していたり、カップルが肩を寄せ合い飲み交わしながら語らい合っていたり…、みなそれぞれに観月会の雰囲気を楽しんでいるようでした。
ススキとお供え物も登場。やはり秋の月に見合いますね。
まばらに座って日が沈むのを待つ人たち。この時間帯でさえも趣があります。
日が暮れ出すと、いよいよお月見ムードになります。午後6時を境に、あちらこちらで乾杯の声がひびきわたります。
桂浜水族館では、夜の水族館と銘打ち、スタッフがうさ耳バンドをつけて特製のたこせんを作ってくれたり、うさぎのコスプレをして観月会専用のアナウンスをしたり、浜の月見ムードにいっそうの肉付けをしてくれます。
このアナウンスがまたおもしろくて、「本日は、桂浜観月会だぴょん」や、「ぜひ、夜の桂浜水族館にお越しくださいだぴょん」と、とにかく語尾にぴょんをつけまくります。まじめなテンションでやるのでそれが妙におかしくて、たびたび浜辺からは笑いが起こっていました。
桂浜水族館スタッフ特製のたこせん。マヨネーズでうさぎを描いてくれます。
浜辺では、月を背に宴会をするグループや、カメラ片手に一心不乱に月を撮影する人、月を見ながら一人で物思いにふける人など、のんび~り、ゆった~りとした時間が流れていました。
地元の人たち。飲みながらの月光浴とは贅沢! ほろ酔いで楽しそう~
桂浜観月会の何が良いって、やっぱりこの雰囲気だなあと思います。通常のイベントと違って、出店もほとんどありませんが、だからこそ、せせこましくなくて、騒々しいということもなく、心がほっこりするような、そんな悠長な時間を過ごせるんですね。
波の音を聞きながら、名月を愛でながら、何をするともなく遊歩道を歩いて、お酒でゆっくりまったり…。なかなか乙なものですよね。私も地元の方とそれとない話をして、日々の忙しさを忘れて、久しくのんびり過ごすことができました。
そういえば、あの有名なよさこい節にも「月の名所は桂浜」というフレーズが出てきますね。やはり古くから、桂浜は観月の名所として親しまれていたのですね。
坂本龍馬だけじゃない、もう一つの桂浜の魅力を高知へ訪れる旅行者へ伝えたいですね♪
■桂浜観月会
■開催時期/中秋の名月のころ
■時間/18:00~21:00
■アクセス/JR高知駅より、とさでん交通桂浜行き終点下車 高知自動車道「高知IC」から30分。
■駐車場/有料駐車場有り(収容台数500台、閉門22:30)
■問い合わせ/高知市観光協会 TEL/088-823-4016 HP/http://www.welcome-kochi.jp