高知の遺産?ココ!マークの現在はどうなってる?

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執筆者 安澤真希
所 属Array

2019/06/05

まずはこちらをご覧ください。

ココ!マーク

 かつおゲストハウスの目の前にある信号機です。この「R」のアルファベットが何を示しているか、わかりますか?高知市内在住の人なら、もしかすると分かるかもしれませんが、それでも一般的な認知度は低いといえるでしょう。それもそのはず、このアルファベットの根幹をなすプロジェクト自体、10年以上も前から存在しているにも関わらず、全くと言っていいほど市井に浸透していないのです。

 このアルファベットには、きちんと正式名称があり「ココ!マーク」といいます。いまいちピンとこないけれど、きっと何かの目印的なものなんだろうな、と思った人は大多数だと思いますが、その通りです。

 「ココ!マーク」は、平成18年度から社会実験として実施されている取り組みで、高知市内の観光施設や主要道路の交差点38箇所に、24個のアルファベットが目印として設置されています。

 「高知県交差点記号化プロジェクト」と、当時は高知のメディアでしっかりと取り上げられて始まったこの取り組み。始まった当初から案の定不穏な流れだったようで、県民にはもっぱら不評でございました。意味がない、必要がない、わかりにくい等と散々な言われようで、最終的には、そもそもなぜアルファベットなのか?という根本的な意見が方々から出る始末でした。

 ところが、不思議なことに、この取り組みがひっそりと評価されていたらしく、グッドデザインアワードの2009年度のグッドデザイン賞を受賞していたというのです。なぜ評価されたのか、気になるので調べてみました。

高知市地図

 宿泊施設や観光案内所にも置いてある高知市中心部のMAP。ローマ字が点在しています。それが「ココ!マーク」であり、高知市の主要な交差点と道路でもあります。

 「日本の道路標識は海外に比べ認識しにくいと言われている。日本独自の文字表記である、漢字とかなの混在した文字の複雑さが理由としてあげられる。このプロジェクトでは交差点にアルファベット文字を記すことで遠方からの視認性、高齢者でも早い解読性ができる点を利用し、ナビゲーションシステムと同調することで、右左折などの違いや渋滞、事故の軽減に寄与している」そのほか、うんぬん

 わかったような、わからないような。そして、全国レベルでの普及も期待されるともありましたが。そこはあえて触れないようにしましょう。

 宿のゲストにも、ココ!マークを知っていますか?活用していますか?と、話の流れで何度か聞いたことがありますが、認知度は驚異の0%でございました。

 何か信号機にマークがあるなと思ったと述べたゲストは何人かいましたが、それだけのこと。ゲストに観光施設を案内するときも、Hの信号機を右に曲がって~そこでSが見えてきたら~とは説明しないので、そうなると、一個人宿の観点に立てば、悲しいことですが、全くもって観光や道案内の役に立っていないのではないか、というのがこの十年ちょっとの成果です。

 車が主たる移動手段である高知市民にとって、はりまや橋の交差点を起点とする東西南北はもはや庭みたいなものだし、観光客は最初から既存の地図やスマホやカーナビに頼りますし、そうなるとココ!マークの存在自体が、必要性や有効性を見出せないまま頭打ちになって時が過ぎ去ってしまった感が否めません。

 さらに、社会実験もこれまたひっそりと、6年前の平成25年に終了していたというのですから、ココ!マークは、発展途上のままで潰えた高知の遺産でしかないのかもしれません。

 でもまあ、せっかくなので、記念としてそのままにして置いておくのもアリといえばアリなのかもしれません。もしかしたら、観光地図を片手に信号機を探している人もいるかもしませんし、私が知らないだけで、実は道案内としての成果をあげていたのかもしれませんし

 とにもかくにも、高知に来る際はぜひともこの「ココ!マーク」を意識しながら、観光やドライブをしてみてくださいね。

 ちなみにかつおゲストハウスの交差点は「R」です♪

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