エンとユカリは使うもの
2013/02/03
大分県の山の中から、こんにちは。ツネヨシです。
前回は
エンもユカリもない大分県・湯布院町に何の気なしにやってきて、結局、移住13年目を迎えてしまったお話をしました。(前回分は→「エンもユカリもつくるもの」)
今日は、この13年の間に作られた「エンとユカリ」を使って、自分で仕事を始めることになってしまったというお話。
と、その前に。
「エンとユカリ」ってなんだか現在放送中のNHK連続ドラマ「純と愛」っぽくないですか?漫画「愛と誠」っぽくないですか?!
「エンとユカリ」も何か起きそう??
なんてね。ちょっと言ってみたかっただけです、はい。
現在、私は一人で、地域を案内するお仕事をしています。
まち歩きツアーガイド、農業体験プログラム、季節毎の楽しいことをプログラムにして、由布院を訪れるお客様に提供する「ユクリエ」という事業者です。
「ユクリエ」の仕事は、私一人でやっているようで、決して一人で出来ることではありません。まち歩きのツアーガイドをしている最中に特にそのことを感じます。
立ち寄るお店、ものづくりの工房、温泉場、いつも通る道沿いにあるおばちゃん宅、まち歩きの最中にすれ違って手を振ってくれる町の人たち、それぞれの場面で出会う人達すべてが、お客様にとっての由布院のイメージや思い出になりえます。なので私の仕事は町に頼っている仕事で、さらに言うと、町の人との関係がとても重要な仕事なのです。
(道端で出会ったおばちゃんが、育てているミョウガを見せてくれました。)
農家さんと仲良くしていると、「こんな体験や、あんなことできないかな?」のアイデアがでてきます。そして、実行が速いです。
今年の初夏には、由布岳の裾に広がる草原でピクニックのプログラムをやってみたいのですが、昨年一緒にお酒を飲んだ「牧野(ぼくや)組合」のおじちゃん達に、近々相談してみようと思っています。
ね、人とのご縁や繋がりを活かして「ユクリエ」の事業は成り立っているのです。
さて、さらに時はさかのぼって、「ユクリエ」を始める3年前。
当時、私は観光協会の管理するギャラリーの運営事務局に勤めていました。いちお、アートが専門の仕事です。
そんないちスタッフの私が、役場の商工観光課の方、観光協会や旅館組合に所属する事業所の方、観光協会の事務局さん、商工会の事務局さん、既に地域にあったボランティアガイドのメンバー、友人・知人たちに声を掛けて
「これからの由布院に『こんなこと』必要じゃありませんかー?やれるといいと思いませんかー?」
と声をかけてみました。
そして集まってくれたのは30人以上!
今思い出せば、よく皆集まってくれたなぁと思うのです。
参考になる他地域の事例もなければ、結果が必ずでる確証もない「こんなこと」。
実績もない私が、皆さんに声を掛けられたのは、これまでの繋がりがあったからです。
その時に思ったのです。由布院に住み始めてから繋がってきた「エンとユカリ」を余すところなく使わせてもらおう!!と。私が思い描いていることを、関わってもらいたい人たちに説明しに出かけて、耳を傾けてもらいました。
集まってくださった皆さんと地域の情報を集め、アイデアを練り、実際に地域を歩き回った1年。
1年間かけて取り組んだ「こんなこと」は、現在やっている「まち歩き」プログラムの素になっています。
それから2年後に、紆余曲折を経て「ユクリエ」を始めました。
私は、移住最初の1年間でありとあらゆるイベントや祭り、ちょっとした交流会などにも参加していました。大人向け・子供向けのそれぞれの映画祭や音楽祭は実行委員として。町の春と夏のお祭りは地区のメンバーとして。ギャラリーで開かれるアーティストを囲む会、旅館で開かれる小さなコンサートや落語会にもよく出かけました。
そういった場で町の人と知り合う。知り合った人が、別の会で人を紹介してくれる。
そんな数珠つなぎの中で、町の様々な人に出会うことができました。それがただただ楽しかったし、よそ者ではあるけれど、この町で暮らしているんだなぁという心地よい実感になっていたわけです。
田舎でこんなにたくさんのイベントがあるわけではないと思いますが
でも、例えば、きちんと隣保班*¹に入る
地域のお祭りに積極的に参加する。
その中で、地域との繋がり、人との繋がりは網の目のように増えていくのですね。
もちろん、エンやユカリを何かのために作るのでは、ちょっと味気ないと思います。できることなら、出会って知り合ったことを純粋に楽しみたい。そして、いつかそのご縁が活かされることがあるなら、また幸せなことではありませんか?
( *¹町内会をさらに細かく班分けしたもの、ご近所さんグループ。)
そんな繋がりのおかげで「やりたいこと」を少しずつ叶えている私。
あ、「やりたいこと」なんて書きましたが、本当は、皆に声を掛けた3年前、「いいことだから誰かやったらどうですか~?」と少しばかり思っていました。
後々、「言いだしっぺの私がやるしかないのだ!」と腹をくくったのであります。
私にできるのか、やりきれるのか、今でも確証はないし、不安も多いけれど
皆が関わってくれて、応援してくれるから、きっと大丈夫。
やりたいことは、「エンとユカリ」を総動員すれば、なんとかできちゃうもんです。
湯布院町の皆様はじめ、ユクリエを応援してくれている皆さま
いつもありがとうございますー\(^ワ^)/
(もう少しで春♪ 楽しい祭りの季節がやってきます~♪)