田舎の遊び方
数年前、河原に「露天風呂」を作ったことがあります。
廃材を組み合わせて大きなオケを作り、その上に水が漏れないようブルーシートで囲い、そこにドラム缶でわかした川湯を注ぎます。これが意外に良くて、ハワイよりも贅沢な極上のスパ気分を味わうことができ、お湯もミネラル豊富でお肌つるつる、木を切ったり貼ったり湧かしたりする作業も原始的でとっても面白かったんです。
とはいえ、河原にお風呂を手作りするなんて意味がまったく分からんし、頭おかしいんじゃないかと思われます。それでも私は、これこそが【田舎の遊び】の真骨頂ではないかと信じたいのです。そこにあるものに細工して遊びに変えてしまうことが、田舎流の遊び方ではないでしょうか。
また別の年には、鏡川の川面に「ジャンプ台」を作ってぶっ飛んでみたことがあります。
廃材を組み合わせて川面に橋をかけ、その上を自転車で走行します。橋の最後にはジャンプ台を設けて、レッツダイブinリバーです。
目的がまったく分かりませんが、これもやってる時は面白いし、斬新だし、遊び方がよく考えられていて秀逸です。廃材と自転車と川を組み合わせて、鏡川をエクストリームスポーツ場に変えてしまうなんて、スノボやBMXと比べても、不安定すぎて危険だけど、どこか可憐でオシャレな遊び方です。
どこまで続くか分からない川を、ひたすら流れてみることは、幼い頃からの永遠の夢でした。
きっと一寸法師の絵本を読みすぎたんでしょうが、これもお椀代わりのマットと、お箸代わりの木があれば、平成の世でもできないことはありません。ディズニーランドのジャングルクルーズよりもリアルでアドベンチャーで、ラフティングよりもスリリングです。ただ、川の形状や状態を見極めて下る判断力は必要なので、闇雲に真似しちゃダメです。
続きまして、田舎遊びの四天王「洞窟」も探検しました。
穴という穴は全て田舎の遊び場といっても過言ではありません。舞台は高知県日高村にある猿田洞。気分はまさにグーニーズ。猿田洞は入洞すると一切ライトがないので、ヘッドライトを持参することが必須です。さらに日高村役場に「入洞するよ」「出洞したよ」と電話で報告し、安否を確認する義務があります。この観光地化されてない野ざらしな洞窟感もさることながら、村役場に安否を報告いないといけないという微妙な緊張感があいまって、アドベンチャー魂をさらに炎上させてくれます。これも面白かった!
原付バイクのノンヘル旅も田舎遊びの定番ですよね。
道なき道を突き進むワクワク感。知らない道に入っていくドキドキ感。途中、犬に吠えられたり、牛に挨拶したり、おばあちゃんにトウモロコシもらったり、ある秘密を見つけてしまったりとドラマがありつつ、最後には未知なる絶景の地に辿りつくのです。そう、映画「スタンドバイミー」みたいに、子どもは旅をして大人になっていくもの。ちなみに写真はイメージです。2人乗りは危険です。ヘルメットはしっかりかぶりましょう。
そういえば、丸3日間キャンプをしたこともあります。
これは、遊びというか家出というか出家というか、少し上級編の遊びですね。はまるとヒッピーみたいな遊牧生活に陥ってしまう恐れもありますので、妻子がおありの方にはあまりオススメしませんが、地球を感じられる素晴らしい体験が待っていますので、最近マンネリだな~とか、俺の人生このままでいいのかな~と感じた時に体験してみると効果的だと思います。ちなみに私は「他人や自分と戦うことはやめよう。他人を自分を愛そう」と悟りました。一緒にいた友人はUFOと交信をはじめ、今は日本にいません。
そしてなんといっても、自然と仲良くなるのが田舎遊びの鉄則です。
高知には海も山も川もあります。その全てと仲良くなれば、遊びのフィールドは宇宙レベルに広がります。
例えばサーフィンやボディーボード。
私は、こいつを覚えてから遊びの概念が大きく進化しました。「浮き輪をもって海水浴へいこう♡」が海遊びだと思っていた私は、ボディーボードを覚えるだけで、海ではなく「波」と遊ぶことを知りました。この波をとらえる感覚は、体験してみないと分からない例えようのない感覚なのですが、頑張って例えてみるならば、「初体験」のような感動と喜びとエクスタシーのようなものでしょうか。思わず「ハッ♡」と漏らしてしまう感じです。
さらに、波をしれば、おのずと風をよむこと、潮の流れをよむことを教わり、海とより深い関係になっていくきます。そして、海には波だけでなく、魚、貝、砂浜、流木と、色んな遊び友達が転がっていることを知ります。
「釣り遊び」もオススメ。釣り竿一本とルアーがあれば、こんな大きなイカと遊ぶことができます。私は生き物相手の遊びが一番好きです。「いかされている」ことを一番感じることができるからです。
「磯遊び」もオススメ。素潜りや貝とりをマスターすれば、毎日がジビエ♡晩ご飯に困りません。無人島で生きていくことだってできるかもしれません。
「クルージング」「ダイビング」。船に乗ればアメリカだっていくことができます。イルカやクジラと遭遇できるし、潜れば熱帯魚にだって出会えます。
「砂浜の落書き」も創造性豊かな遊びです。砂浜をキャンパスにすれば、ナスカに負けない地上絵だって描けるのです。立体造形も可能。流木も作品にしちゃえば遊べます。
川の遊びもたくさんあります。
川の流れ、形状、岩場、水の深さなどをよみときながら下る「ラフティング」。途中ボートから落ちてしまい、生と死と川底の間で「私はまだ生きたい!やりたいことがあるんだ」と叫んだほど、死がよぎる遊びというか、スポーツでした。
鳥や草花、川魚に声をかけながら、ゆっくりくだっていく「カナディアンカヌー」。ボートを借りれば四万十川を自力で下ることも可能。流れがないとひたすら筋トレになりますのでご注意を。
「キャニオニング」は上級者向け。自然と獣が作った沢を歩くのですが、本来、人間が踏み入れない場所を歩くのでトラップだらけ。鳥も木も川のせせらぎも「人間はかえれ~」って言ってました。
空の遊びも。
「パラグライダー」。風にもてあそばれ、ケチョンケチョンにされ、ナウシカには絶対なれないと夢を一つあきらめました。風とは友達になれませんでした。
山の遊びも。
四万十川の源流「不入山の登山」に挑戦。紅葉がつくった真っ赤な絨毯が美しすぎて、通常2時間程度で登れる山を、6時間かけて遊びながら登りました。
「間伐」という名の遊び。仁淀川町のとある山をチェーンソーで整えました。木の上で寝てみたり、お弁当広げてみたり、ジェイソンの物真似をしたりと、木を倒しながら遊び倒しました。
「木登り」も立派な遊びです。が、結構難しい。木を知れば、木工ができたり、大工さんになれたり、炭が作れたりと手に職につながるので、もっと仲良くなりたいです。
土の遊びも。
土遊びは基本中の基本。植物をひとつ植えるだけで、いくつものドラマがひろがります。チョウが恋愛したり、アリが家を作ったり、美味しい実をつけたり。一所懸命遊びながら育てた命を皆で美味しくいただく贅沢は、なにものにも代え難い。
火の遊びも。
火も、扱い方さえ間違わなければ遊び道具になります。たき火、キャンプファイアー、ファイヤーダンス、BBQ、焼き芋… 火起こしも楽しいし、ユラユラする炎をみつめるだけでも心が落ち着きます♡ 焼き芋も自分たちでやると美味しい~♡
田舎での遊び方を語っていると話はつきませんが、そろそろまとめます。
海、川、空、山、土、火… 田舎には大した娯楽施設がないけれど、大自然という天然のアトラクションがこ~んなにあります。自然がある限り遊びは尽きないし、むしろ頭をつかって工夫するだけで新しい遊びがどんどんうまれていきます。田舎で遊びたかったら自然と仲良くなればいいだけ。そして、そのフィールドが高知にはたくさんあります! この先、どんな冒険が待ち受けているのか… 私の遊び探しの旅はまだまだ続きます♪