いなかインターンシップで就職先を見つけた移住
2021/11/23
- いなかインターンシップ
- 所 属
いなかパイプのインターンシップはいなかパイプに入社してもらうことを目的で行なっていません。
まずは来て、1ヶ月暮らしと仕事を体験してもらいます。そこで本当に自分に合っている、やりたい道に進んでもらえたら嬉しい。「いなか」に暮らす人々と出会いつながりをつくってもらいたい。そういう想いで続けています。
いなかパイプのいなかインターンシップを体験した後に、現場研修先のカヌー館での仕事体験を通して、カヌー館の職員になった張田さんこと、ハリー。いなかパイプのインターンシップを上手に活用して都会から「いなか」に移住した一人です。
本人にとっては激動の1年だったと思いますが、どういう体験をこの一年してきたのかインタビューしました。
−インターンシップに参加しようと思った動機を教えて下さい。
大阪でサラリーマンをしていたのですが、漠然と田舎暮らしに興味を持っていました。
IT会社でそれなりにやりがいを感じて、自分で言うのもあれですが、結構な給料をもらって広いマンションにも住んで、そこそこの暮らしをしていましたが、このまま一生を過ごすのは何か違う気がしていました。
30代後半になって、自然を求めてキャンプにハマり、いろんな地方にも行き始めた頃、いっそ田舎で暮らしたいと思うようになりました。
とはいえ、今の仕事を辞めて、自分には何ができるか?何をやりたいのか?と言うと、正直に何もありませんでした。
あるのは、ただただ田舎で暮らしてみたいという動悸だけでした。
そんな時に、ネットサーフィンをしていて「ない人」募集の記事を見つけました。年甲斐もなく見切り発車も甚だしいですが、
「まずは行ってみよう!」
とインターンシップ参加の申込みをしました。
−インターンシップ終了後からこれまでどのような仕事、暮らしをしてきましたか?
インターンシップの勢いそのまま、お世話になったカヌー館に雇っていただけることになり、移住をしてカヌーのガイドになりました。
インターンシップでのつながりを生かして、仕事も住むところもトントン拍子に決まりましたが、やっぱり、都会との違いに不便さを感じたり、縁もゆかりもないところに1人で来たこともあり、難しさや不安に思うことももちろんありました。
雪が降った日に車のスリップ事故をして、ガードレールに突っ込み、買ったばかりの車が廃車になったときはさすがに凹みました(笑)。
でも、それ以上に楽しさや心地良さの方がありました。
カヌーのガイドは飽きることが全くなくいつも気持ちが良いですし、草刈りやそれ以外の仕事もやったことがないことばかりで慣れるまで時間がかかりましたが、自然相手の他愛もない日々を楽しめています。
机に向かう仕事よりもずっと性に合っている気がします。
−インターンシップ前半のいなかドアで印象に残っている経験や気づきなどあれば教えて下さい。
まず感じたのが、いなかパイプのスタッフ全員が自然体で何に対しても気負いすることなく、ありのままで居てるのを見て、自分も「これでいいんや」と思うことが出来ました。
無駄に緊張していましたので、一気にシフトチェンジしました。そのおかげか地元の人たちとも自然に接することが出来ましたし、地元の人たちも誠実に優しくしてくれました。
野菜をいただくこともあり、今までほぼ料理をしてこなかったのですが、挑戦してみたら意外に美味しくでき、自炊するようにもなりました。
今ではお昼のお弁当も毎日欠かさず作るようになっています。
−インターンシップ後半の現場研修は何を体験しましたか、またそこでどんなことを考えたり感じたりしましたか?
前半のいなかドアで自由きままにさせてもらっていた分、後半の現場研修は背筋が伸びる思いと言うか、「田舎で生きて行くのか」をより考える期間になったかと思います。
実際のお客さんのツアーに同行させてもらったり、現場のリアルな雰囲気・風土を感じることができました。
あとは田舎の人の特徴かもしれませんが、仕事にしてもそれ以外にしても幅広く何でもできる人が多く、そんな非凡な田舎の人たちに惹かれました。
いつか自分もそんな人になれたらと憧れて、今は船舶免許取得の為に勉強をしています。
−インターンシップの経験は今どのような影響を与えていますか?
申し込みをする前から「人生を楽しみたい」と思って来ましたが、より強く思わせてくれたのはインターンシップでの経験があったからこそだったと思います。
四万十川を代表に雄大な自然に触れて魅了され、今でもブレることなく楽しく暮らしているのが何よりの証拠かもしれません(笑)。
−これから来る人達に向けて一言お願いします。
「いなか」と「とかい」の両方を知るということは人生にとって有意義なことだと思います。
「とかい」が、はたまた「いなか」が合わなかったとしても、それはそれで貴重な経験としてインプットされて、いずれ形を変えてアウトプットされ、各々の社会に還元されるものだと勝手に想像しています。
人生一度きりです。一生からすれば ‘今’ は人生の一部。止まらず動いてみてもいいのではないでしょうか。
あとは「いなか」と「とかい」のギャップを感じるのは、早いに越したことはないかもしれません。
こっちに来たら、可能な範囲でより多くの場所に行き、より多くの人と接して、良きも悪きもより多くのことを感じることが出来ればこの上ないですね。
もし僕で良ければカヌー館で待っています。