いなかインターンシップでわかった「楽しみながら仕事をする」ということ
2022/03/25
いなかパイプでは、2020年5月からプログラム内容を一部変更し、新型コロナウィルス感染防止対策を行いながらもいなか暮らしの体験ができるいなかインターンシップを行っています。
前半2週間はいなかドアというプログラムで、地域の人との密な関わりは避けながらも、やりたいことをやりながら生きる力を身につける2週間を過ごし、後半2週間はそれぞれの希望に応じて地域の現場へインターンへ行くという2部構成になっています。(いなかドアのみの参加も可能)
2021年10月12日〜11月10日にいなかインターンシップに参加した小宅七海さん(通称ななみん)。
最初は今後の人生を心配している様子でしたが、毎日やりたいことをやる中で、どんどん元気になっていく様子が印象的でした。
私はこれまで、大学を卒業したら一般企業に就職してキャリアウーマンになるんだ!と想像してきました。
しかし、いざ4月から働き始めると周りからの期待を自分の中で過度に膨らましてしまい、そのプレッシャーからか1か月ほどで体調を崩してしまいました。
これまで周りには、企業の一員として働く人が多く、自分もそうなるものだとばかり思い込んでいました。
しかし、療養を兼ねて休んでいた中で、
「この働き方は自分には向いていないんじゃないか。」
「もっと違う働き方・生き方をしている方にお話を聴きたい」
「自分もそれを試してみたい」
と思うようになりました。
そこで、かねてより参加したいと思っていた「いなかインターンシップ」への応募を決意しました。
実際に高知に来て「いなかドア」が始まった当初は、毎日毎日やりたいことを提案するのが大変だなと感じていました。
今考えてみると、これまでどれだけ時間があっても、自分のやりたいことをきちんと考えて実行したことがあまりなかったんだと気づきました。やらないといけないこと、なんとなくダラーっとしながら過ごした時間ばかり。
最近では、家族以外の人と毎日一緒にいるということもなかったので、いろんな環境の変化に戸惑っていたように感じます。
そんな中でも、いなかパイプのスタッフの方々にたくさん話を聴いていただき、
「無理せず自分が楽な状態でいたらいいよ」
と何度も言ってくださったことでだんだん力が抜けていきました。
いなかドア中は、都会では経験できないような、いなか暮らしを満喫しました!
きれいな四万十川のほとりで手作りパンをダッチオーブンで焼いてみんなで食べたり、いなかパイプの皆さんが懸命に育てたお米の稲刈り作業を手伝わせてもらったり・・・。
私たちの様子をリアルタイムでインスタグラムに投稿することにも挑戦しました。ぜひ一度ご覧ください!
こういった外に出て体験したことも非常に楽しかったですが、道中の車の中での会話や焚火を囲んで話した何気ないモヤモヤの共有が、大きな気づきを与えてくれたように思います。
それは、仕事に対する考え方です。
今まで自分は大変なことをしてこそ仕事、やりたくなくても会社のためには自分の気持ちを押し殺して、全うしなければならないと思っていました。それらをこなしてこそ毎月安定したお給料をいただけると信じていました。
いなかドアでは、スタッフの方からこの考えが間違いだと教えていただきました。
「しんどいこと=お金を稼げると思っていたら、自分の興味のあることや楽しいことでお金をもらってはいけないと考えるようになってしまう。結局は自分が追い込まれていくだけ」
自分にとっては、かなり衝撃的でした。もちろん、楽しみながらお金を稼いでいる人にあこがれる気持ちはありましたし、それを目指しているつもりでした。ですが、今考えてみると、そういったことを願いながらも、その状態になれるのは一部の特別な人だけと思う気持ちがあったなと思います。
そして私は、これまで自分にとって苦しい方ばかりを選んでいたと気づかされました。
そんな自分の考え方が変わりつつある中で迎えた、現場研修。私の派遣先は愛媛県西予市の「加茂ファーム」さんでした。
農業初体験で右も左もわからない状態でしたが思い切って高知県を離れ、本格的な田舎暮らしを始めることとなりました。
農家さんのお仕事は身体が資本!こんなに大変な思いをしたからこそ、きれいで美味しい野菜が出来上がるんだなということを身に染みて感じつつ、加茂ファームの皆さんやご近所の方の優しさで、慣れない農業にも懸命に取り組めたと感じています。
何気ないおしゃべりをしながら、皆さんと協力してたくさんの野菜を収穫したことは、とても印象的です。楽しみながら仕事をするとはこういうことか!と気づけました。
私はこのまま都会には戻らず、いなかパイプで働くことを決意しました。まだまだこの先どうなっていくのかは分かりませんが、今は不思議とワクワクしています。
自分にとってどんな振る舞いが心地よいのか、地域に対して自分が貢献できることは何なのか、しっかりと向き合いながら人生を楽しめる生き方を模索していきたいと思います。