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「はたらきかた」のマッチング いなかマッチ

地域に寄りそったお酒をつくる蔵人さん

司牡丹酒造株式会社 杜氏 浅野徹さん

●受入事業者
司牡丹酒造株式会社 杜氏 浅野徹さん

 400年以上続く歴史と伝統ある酒蔵「司牡丹酒造」で、冬の季節だけ酒づくりに関わる「蔵人」を募集しています。酒づくり未経験でも大丈夫。日本酒づくりに興味ある、関わってみたいという気持ちはあっても、どうやってその仕事を見つけたらいいかわからない人も多いと思いますが、そんな人におすすめです。

 

司牡丹

 

城下町として栄えた高知・佐川町の中心部にある「司牡丹酒造株式会社」

 JR高知駅から西へ、特急で約30分。かつて城下町として栄えた佐川町。明治維新で活躍した田中光顕や世界的な植物学者の牧野富太郎博士など、日本の文化・思想に大きな業績を残した著名人の出身地でもあります。

 そんな町の中心部にある「司牡丹酒造株式会社」。江戸末期の建物である白壁の蔵が90mに渡って立ち並び、そこに立っているとまるでタイムスリップしたかのような歴史を感じられます。

 

佐川街並み

 

 あの坂本龍馬ともゆかりがあり、吉田茂元首相が愛した日本酒で「日本酒は司牡丹」」と決めていたという話が残っている伝統ある酒蔵です。

 

浅野杜氏

 

今はまだ一番美味しくつくれるやり方でつくりたい

 出迎えてくれたのは杜氏の浅野徹さん。「杜氏」というと、酒づくりのトップで怖そうなイメージを勝手に持っていましたが、穏やかにわかりやすく酒づくりのことを教えてくれました。

 浅野さんは30歳の時に司牡丹へ入社し、杜氏になって今年で17年。高知市出身で東京農業大学へ進学、微生物に興味があり醸造学を学んで高知に帰って来て、学んだことを活かせる仕事をしたいと考え、酒づくりの道に進むことになりました。

 

「昔は作り手の「カン」が大きかったですが今は分析技術も上がり、どんどん酒づくりのレベルが上がってきています。昔はまず「いい酒」をつくるのが大変でしたが、今はいい酒ができるのは前提で、その上でどんな酒をつくるのかが問われています」

 

 司牡丹では伝統的なつくりである「寒づくり」を採用し、酒づくりに適している冬場に酒を仕込んでいます。そのため、今回募集する「蔵人」が働く期間は10月〜3月末まで。昔は近所の農家さんが冬場の農閑期に働きに来ることが多かったそうですが、最近では高齢化や働き方の変化により、そういった働き方をする人が減ってきているそう。

 

「1年を通して安定して働けない寒づくりは段々時代遅れになっていくのかもしれませんが、今はまだ一番美味しくつくれるやり方でつくりたいと思っています」

 

酒蔵

 

働く期間は10月〜3月末まで

 1日の仕事の流れは6時30分スタート。7時15分まで仕込みをしてみんなで朝食をとった後、正午まで働き、1時間の休憩をとった後に午後の作業をして、16時40分には1日の仕事が終わります。

 休みは週1回交代でとります。朝食と昼食は出してもらえるので、短期間に集中して働いてお金を貯めたい、という人にもあった働き方ができます。

 

食堂

 

「仕事自体は補助的なことが多いので難しくありません。一番気をつけることは衛生面です。酒蔵はどこもそうだと思いますが仕込んでいる時間より洗浄、殺菌の時間の方が長いです。雑菌が入ると味に影響するので、ちゃんとした仕込みをするためにはまずは洗いものと清掃です」

 

 司牡丹では多くの作業は機械がしてくれるので手作業はそれほど多くありません。酒づくりというと手作業を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、

 

「米を洗ったり絞ったりという“作業”は機械にやってもらい、“つくり”を人間がやる。どんなお酒を造るかは人間にしか決められません。なのであくまでも“手づくり”なんです」

 

と教えてくれました。

 

酒づくり

 

キレが良くて辛口。のどごしが良いので料理によく合うお酒

 昔は全てが手作業だったため、蔵人は泊まり込みで休みなく働いていましたが、一部作業を機械化したことで、近隣に住んでいる人は通いで働いています。遠方の人は泊まれる宿舎もあります。

 司牡丹のお酒の特徴を浅野さんにお聞きしました。

 

 「キレが良くて辛口。辛口といえども味があり、のどごしが良いので料理によく合うお酒です。高知のお酒は酸が多いので、カツオやマグロなどの赤身の魚や天婦羅によく合います」

 

 司牡丹では多種類のお酒を仕込んでいて、精米歩合だけでも35%から70%まで8通りあり、造りの種類で細かく分けると20種類以上のお酒をつくっています。

  毎日同じ作業のように見えて、仕込みの内容は少しずつ違っているそうです。お酒のことをより詳しく知りたい人は、毎月2回行われている「きき酒の会」に参加することもできます。

 そこでは、浅野さんをはじめ社員の人ができたお酒のきき酒をし、欠点がどこにあるのか、欠点をなくすためにはどう改善するか、なぜこんな味になったのかなどについて話し合われているのでよりお酒のことを深く学ぶことができます。

 お酒のことを深く知りたい人にはたまらなく楽しいだろうと想像しました。

 

司牡丹

 

今よりもさらに、地元に根ざしたお酒づくりをしていきたい

 司牡丹の今後の方向性は?

 「今よりもさらに、地元に根ざしたお酒づくりをしていきたいです。今は地元のお米だけでは量が足りないので県外のお米も使っていますが、もっと地元米だけでお酒を作っていきたいです。

  それと、時代に流されないお酒づくり。今は甘酸っぱい香り高いお酒が人気で、そういうお酒をつくる酒蔵も多いですが、司牡丹は“料理に合うすっきり辛口の食中酒”という特徴を大事にしたい。よそがどうやろうとそこは変えていきたくない。」

 

浅野杜氏

 

地元に寄りそったお酒づくり。

時代に流されないお酒づくり。

 

 そんな司牡丹で酒づくりに関わってみませんか?

 酒づくりやものづくりに興味がある人にとって、なかなかできない経験ができる仕事だと思います。

 

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