いなかビジネス教えちゃるい!インターンシップ


田野屋塩二郎
佐藤京二郎さん 小松さん

塩と戦う男

「その男の塩はんぱねぇ~」ある道の駅に格闘家のような金髪の男が写ったポスターと共に塩が置かれていた一角のコーナーがあった、その塩は売り切れでないのだが見本の写真に写っているパッケージは真っ黒で塩とは全く思えない。その秘密は後述するが道の駅のおばちゃんいわく「塩二郎さんの塩はすぐ無くなっちゃうね」「美味しいし、欲しかったら予約!」

その大人気の塩は同じ海水から作られた塩だが粒の大きさや味などで40種類もあり、超高級料亭から海外まで引く手あまたで一般にはほとんど出回っていないそうだ。

この塩を作る男が高知県田野町にある田野屋塩二郎の佐藤京二郎氏。塩作りに関する熱意からか筆者もインタビューが終わったあと不思議に自信と元気が湧いてきた。

先のキャッチコピーではないが「この男、人間としてもはんぱねぇ~」。塩は極めた、もう塩づくりのライバルはいないと語る。ここまで豪語できるのはその風貌とは裏腹にじっくり丁寧に作り上げる塩に絶対的な自信があるからに違いない。

今回はこの田野屋塩二郎で塩職人にプチ弟子入りをするインターンシップ生の募集です。そんな塩二郎氏にお話を伺いに行きました。

夢破れて落ち込んでる、失恋したやつ、俺のところに来いよ! 

-今回研修生を募集ということなんですが何か理由はあるのですか

ライバルがいなくなった、もう飽きた。もう塩の細かさ、時間の掛け方とかも調べたら日本一、やりつくした。だから次は教えたいと思うようになったんだよ。自分がもっと成長したいとか販路を拡大したいとかそういうことはもういいやと思ってる。まわりからは「天狗、天狗」とかいわれるけど、俺は正直それだけのことはしてるから。そもそも日本一の塩を作るために東京から全てを捨てて、帰るところもなくて、なんも知らない高知で1からやってきたんだから。逆にそれが外から来た強みとなって向上心みたいなものにはなっている。研修生から刺激を受けたいんだよ。

だから、都会からヤル気のある奴が来て欲しい。夢破れて落ち込んでる奴とか、失恋した奴とか見返してやろうと思ってる気持ちがある奴がいいな。都会でうまく行かなくて逃げたいとか思ってるんだったら、いなかに来ればいいじゃん。いなかの厳しさ、自由さを教えてやるよ。それにどうせ、こういうところに来る奴って迷ってる人が多いんじゃない?


工房の外観、奥に映る大きな建物は塩の濃度を濃くする施設

-その通りです。そういう人が多いかもしれない。

でしょ。そういう人の力になりたい。うちでずっとやってもらいたいとはさらさら思ってない。1ヶ月うちに弟子入りして今までのことを忘れて、自信つけて帰ってもらえればいいね。来るもの拒まず、どんなやつでも来てほしいな、ヤンキーだろうが死にたい奴でも。もちろん塩作りたいなんて奴がいれば本気で教えるよ。俺のライバルがほしんだよ!そんで、田野町を若いヨソ者で溢れ返したいな(笑)それで田野町に恩返しが出来ればいいな。

-田野町にきた経緯とは?

水さえ良ければどこでも良かったんだけど。なかなか貸してくれる人がいなかった。東京から来たヨソ者だからそうとう冷たくされたね。東京から来たというと先祖に悪いから貸さないとか地元意識がどこも強かったな、ヨソ者へのバリアが強いというか。それで唯一OKだったのが高知県の田野町だった、もちろん海水も調べたらすごく良かった。なかなか見つからない中で落ち込んでいた時にこういう話があったから「ころっと」落ちたかな(笑)。その分愛着みたいなものは田野町にあるね。
田野町の海岸

全てを捨てて、塩づくりに来た。
 

-町の中をちょっと見ても塩二郎さんを応援している感じがわかったのですが。
そうだね、道の駅とかにも並べられてるしね。他の塩をどけてあのコーナーを作ってくれた。特に俺からお願いしたことはないんだけど。俺の塩が町の人に認められてきたのかなと思って嬉しかったね。もちろん田野町は良い人ばっかりなんだけど、田舎は出る杭は打たれるというか目立つ奴は全力で叩かれる。それに対抗するには本当に一流のものを作らなくちゃいけない、へたな物を作ってたら潰されるね。だけどようやく頑張ってるのがわかってくれたんじゃないかな。あれだけ断られてなかなか見つからかった塩づくりの場所を誘ってくれた田野町の力になりたいとも思ってる。


道の駅にあるポスター

-そもそも塩づくりのきっかけはなんだったんですか?

サーフィンを20年くらいやってて、海の近くでできるものは塩じゃね~かなと。塩くらい作れるだろうと。結構そこは軽い気持ちで。それでやるからには日本一になろうと探したら黒潮町にあることがわかった。それが俺の師匠、4回通って土下座してお願いしてやっと弟子にしてもらった。20年やってたサーフィンも趣味的なものも全部捨てた。海の近くで仕事してていい波きたら行きたくなっちゃうよ(笑)、他にも住民票も勝手に移して何か保険的なものモノ全部捨てた。何か残してたら半端だし、自分の性格的にダメだなと感じてたから。それでもう置いてくれないとのたれ死にますよという状態にしてやっと弟子にしてもらった。

-弟子入りしてからもかなり厳しかったのですか?

厳しかったね。朝4時から仕事だし給料もないし、昼修行して夜は他の仕事で金を稼いでいた、もちろん休みもない。だけど向上心が勝ったというか楽しかった、1から覚えていくというのが好きだし、もう天職だとおもった、2年修行したけどあっというまだった。師匠も気を使ってくれて田野屋塩二郎という名前をつけてくれたんだ。俺が日本一になれば田野町も有名になるし、四国一小さい田野町から日本一になったらカッコイイしね。


塩二郎氏の工房

一つの塩で40種類
 

それで、今じゃ塩の種類は40種類作ってる。というか、いろんな注文を受けていたらどんどん多くなっていっただけだけど。例えば京都からは椀物にあうように0.1mm甘めとか0.2mm苦めとか注文に合わせて作ってるんだ、最近は海外からも注文を受けてる、ゆずとかトマトを合わせて塩を作ることも出来る、塩を元から作る段階からゆずを混ぜたりしている、意外とこれが出来ない人が多いんだよ。なにせ手間がかかる、俺は真夏でも1時間に1回は塩を混ぜるようにしている、みんな他の業者は出来ないんだよ、これがきついから、みんな昼に塩小屋に入らないんだよ、だから他の天日塩は粒がデカイでしょ。もしくはちょっとだけ干して天日塩って言って売ってるか、どっちかだね。味を塩に入れこんだり、粒を揃えたりするには1時間に1回は混ぜないといけない、塩はかなり繊細で急な雨とかで気圧が下がったりすると塩がだめになってしまうから3cm窓を開けたり細かい作業が必要なんだ、目も離せないし。俺ほど手間かけて作っている奴はいないね、塩の業界で。


塩を混ぜる塩二郎さん

今じゃ高級デパートのバイヤーとか超高級料亭の料理人とが見に来るよ、俺の塩は見に来ないと売らないから一度は来てもらうんだ。顔を見ないと気がすまないんだ、けどちゃんとしたとこは言わなくても来るけどね。それで実感するよね、俺も成長したなと。そこが楽しいね。パッケージだってシンプルで黒くして中が見ないのは、見た目で判断してほしくない、塩の味だけで勝負したいから余計なものはいらないから。だから中身が見えない塩のパッケージにしたんだ。他にないよね。みんな他の塩は見えるけど。


塩二郎さんのパッケージ

-それで商品の広告はしているんですか?

一度もしたことはない。たまたま、竜馬ブームで大勢の観光客が買ってくれて全国に散らばったのが大きかった、1年で全国に販売するようになって全て口コミで売れるようになった。それは運が良かった。でも塩には自信があったから遅かれ早かれ、そうなるとおもったよ。人間やる気になれば何でも出来ると思うよ、苦手だからとか言ってやらないことが良くない、人生の1ヶ月、2ヶ月なんてクソみたいなもんだし、わざときつい現場に身をおいたりすることで成長することも人生で必要なんじゃないかな。

ちなみに、かなり体力に自身があってもすぐに帰ってしまう人もいるようですが研修は大丈夫なんでしょうか? 大丈夫。向き不向きみたいなのがあるけど、今俺のところにいる女の子は23歳でどちらかと言えば内向的な子かな、あんまりしゃべってくれないし、ひょろっとした体格だけどもう1年半もやっているよ、黙々と何かに向き合える人が向いているかな。でもその子も仕事をどんどん覚えてきて、今は40種類の塩を全部作れる。たまに俺も怒られるよ、「ちゃんとやってください」って(笑)今回の研修でその子にも指示を出したり教えたりすることで成長して欲しいと思ってる。

素人が言うことにはドキッとする

それでね、素人が言うことにはドッキとする事がよくあって、「この塩にがいですね」とか気が付かないことがたくさんあるし、そういうところから俺自身も刺激を受けたいと思っている。研修生が来たら絶対に気は使わないし絶対に逃がさない、それがそいつのためになるし、今まで逃げてきてばかりだったのかもしれないから自信をつけてもらいたい。こっちもプライドがあるから途中でやめさせるようなことは絶対にしないよ。


製造中の塩二郎さんの塩

-今後の野望みたいのはありますか?

塩づくりで日本一とかいってるけど、ラーメンの日本一ていわれてもわからないでしょ、俺の言う日本一っていうのは何の妥協もなくて、全力でやりきって作った塩っていうのが日本一だと思うんだ、自己満足かもしれないけど賞状とか肩書きがどうとかってのはどうでもいいんだよね。でも最初に言った通り、ほとんどできちゃったけどね。それで多分俺を抜けるのは20代30代の若いやつだよ、俺は1時間に1回混ぜてるけど30分とかに1回混ぜられたら多分負ける(笑)そこが怖いんだよ、そういう怖さがほしんだ、ライバルが俺を成長させるんじゃないかな。

だから研修生にはほんとうに来て欲しい、絶対に後悔はさせないから。

編集より
「この男の塩、人間性はんぱねぇ~」!!!とにかく悩んでいる人は行くべき。文章だけは伝わらない現場、塩二郎さんを体感して欲しい。1ヶ月で必ず何かを得ることが出来るはず。
編集:島津
konahito
「都会でダメだったら、田舎ではなんとかなる」と思っている奴に田舎の厳しさやそんなに甘くないよって教えたい。とにかく厳しい仕事だけど1ヶ月やり通せば必ず今後の人生のためになる。俺のところに来たら1ヶ月逃さないね(笑)。つらくても2~3週間で慣れるよ。

インターシップ募集要項
研修名

いなかビジネス教えちゃる!インターシップ

期間 参加は随時受け付けを行っていますので、まずお問合せ下さい。
受入機関

田野屋塩二郎

高知県安芸郡田野町

宿泊場所 集会場の別棟 徒歩5分程度
コース名

海コース

天日塩職人にプチ弟子入り、天日塩の製塩から販売に携わり、海のビジネスを学ぶ!

研修概要

天日塩作りの業務、施設見学者の対応に関わり、天日塩のこだわりを学ぶ。

研修内容

ビニールハウス内で製塩作業の補助、施設見学者の対応。希望があれば販売など

参考

http://www.pref.kochi.lg.jp/~chiiki/iju/koe/interview/satointerview.shtml http://inaka-pipe.net/intern/files/2012/07/enjirou_ph.jpg

受入定員 3人(部屋が1室のみの相部屋なりますので、同時期に男女の組み合わせの研修は不可となります。調整いたしますので詳しくはお問い合わせください)
応募条件 性別・年齢・資格不問。 塩作りをしたい方へは全力で教えます。
費用

98,000円(コーディネーター料・宿泊経費・保険代等含む)

対象 ・田舎で、仕事をし、暮らしていきたいと考え始めた方
・進学・就職・転職など将来進む道を模索している方
・いなかビジネスを経験してみたい方
・18歳以上の明るく健康な方
運営団体・事務局

一般社団法人いなかパイプ

備考
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企画・運営

一般社団法人いなかパイプ
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