働く

「はたらきかた」のマッチング いなかマッチ

木をレーザー加工する職人見習いさん

ばうむ合同会社

●受入事業者
ばうむ合同会社 代表社員 門田恵美さん・藤川豊文さん

 

 木と関わる仕事を探しているような人に必見の求人情報です!いなかマッチ受入事業者となるのは、林業の一等地の本山町にある「ばうむ合同会社」。バウム(Baum)はドイツ語の「木」。名前からも伝わってくるように、この会社、とにかく木と森と向き合いながら、色々な試みをしています。
 高知県の森林面積率は84%と日本一です。その中で、本山町は四国を東西に伸びる四国山地の中央に位置する標高の高い嶺北地域に位置しています。森と吉野川に囲まれた高知でも緑と水の関わりが深く、高知市内や他県へのアクセスもよいため、移住者に人気のエリアの一つになっています。

ばうむ合同会社

  ばうむ合同会社の加工場には林業に関わるあらゆる人が仕事を共にしています。木を管理する人、木を伐る人、木を製材する人、木をデザインする人、木を販売する人。いわゆる6次産業がこの場所で行なわれています。
 同じ場所で連携できることは流通コストを下げる利点もありますが、一人で生産から販売までできないような大きな規模の建築や木材加工の世界では、容易にコミュニケーションができる現場は新しいことが生まれやすい環境でもあります。
 ばうむ合同会社の職場では、それぞれが独立していたり、パートナーであったりとたえず流動的な関係が生まれているようです。

ばうむ合同会社の発起人である藤川さんにお話を伺いました。

 

ばうむ合同会社の発起人である藤川さん

ばうむをステップにして活躍してもらいたい

 藤川さんは長年、木に関わるあらゆる現場を見てこられた中で、現在の心境を語ってくれました。

「今の林業は面白くないでしょ、お金にならない木を伐ってどうするのってこと。日本の多くの山作りの政策は失敗していると思う。これから少しずつ昔のように豊かな山に戻していかないと。」

 藤川さんが目指しているビジョンは明確です。それは「木を使う環境を維持すること」。自らの活動を国土保全事業と宣言して、多様性があった昔のような森になるように木と関わっていきたいと想いを伝えてくれました。
そんな、ばうむの経営理念もあって、関わる仕事も多種多様。入り口から入って出口が別になってもいい、というような自由な社風があります。

「将来、ばうむをステップに起業してもらってもいいし、少しやってみて違うと思ったら修正したらええ。ばうむが大きくならんでも、同じような関係が作れる仲間がほしい。」

と森のように懐が深い藤川さん。

「極端に言えば、試しに『なんちゃって』で来てもええんです。仕事はいくらでもあるから。」

と心強い!こういう会社に林業の未来があるんだなぁと思うほど、聴く人を惹き付ける魅力をもっている藤川さんの言葉から、ばうむ合同会社の考え方が伝わってきます。

ばうむ合同会社の職場はこんな感じ

広い製材置き場
広い製材置き場

作業風景

作業風景
ばうむ合同会社以外の職人さんや1.5次加工のフリーパネルの製品を作っている人達も仕事をしています。

 

ばうむ合同会社
その後そのフリーパネルを更にデザインしたり、企業のノベルティを作るのは、ばうむ合同会社の仕事です。最近では注文が追いつかない程の需要があるそうです。

木パネルを加工
レーザープリンターがあるので紙を印刷するように木パネルを加工出来ます。

 

作業風景

作業風景
レーザー加工はプリンターと同じように使えて、若い人も現場にきて直に対応する人が多いようです。

 

経理、デザイン、そして代表へ

 ばうむ合同会社の代表を藤川さんとともに務めている門田さんから、ばうむでの仕事について伺いました。
 門田さんは、本山町の商工会へ勤め、結婚・出産のため退職した後、ばうむ合同会社が立ち上がるタイミングで声がかかり入社されました。最初は、経理や簡単な加工などの事務を任されていたそうです。その仕事をやっているうちに「自分の好きなデザインを作ってみていいよ」と言ってもらったことをきっかけに、自分でデザインした加工品をつくるようになったそうです。

門田さん

  「デザインは全く勉強したことありませんでした。雑貨とか見るのが好きだったので、こういうものだったら自分もほしいかなぁというものを作るとこから始めました。」

 全く経験がなかった門田さんでしたが、作った商品はよく売れているそうです。雑貨を見るのが好きだった門田さんですが、「まさか自分が作る側になるとは夢にも思っていなかった」と言います。今では自分がイメージしたことが、すぐに形になって、商品としてお客さんの手に渡ることに、一番やりがいを感じているそうです。

門田さんがデザインした人気のコースター
門田さんがデザインした人気のコースター

 

 現在代表として任されている門田さんですが、デザインに引き続き、代表になることも想定外だったそうです。代表としてのプレッシャーを感じながら、門田さんも次のステップを踏んでいるようです。
 ばうむには、将来的に役場がもう一つできるような、林業や農業を中心にした連携をしていきたいという野望があります。数年後には、ばうむのような会社が本山町でたくさんできているかもしれません。

 

本山町は暮らしやすい!

 高知市内からUターンして商工会で仕事をしたり、母として暮らしている門田さんですが、そんなふるさとの本山町は、門田さんにとって暮らしやすい町だそうです。地域の人の繋がりが強く、安心して生活できること、外から来る人達も多く、地域も受け入れてくれている町ということでした。母としては保育園・小学校・高校・病院など、すべてが近くにあって便利というところがうれしいそうです。高速のICも近く、高知市内も30分ほどでいけ、山深い嶺北地域は今移住者希望者注目の地域でもあります。

本山の風景の写真
本山の風景の写真

 

こんな人に来て欲しい!

 業務内容としては、門田さんが日々行なっているレーザー加工や木工などの仕事をしたいという人を募集しています。
 門田さん自身がデザインを学んだわけではないので、決してデザイン能力が高い必要はないそうです。

 「アイデアを形にするのが好きで、一緒に商品づくりを楽しんでくれる人が、向いているかもしれませんね。『自由なところ』それがばうむの唯一いいところです。笑」

と門田さん。日々の仕事も忙しいので、そういう仕事をしながらも空いている時間をみつけて、商品開発をすることに喜びを感じている人なら、うってつけの環境のようです。イベントなどもあるので人とのコミュニケーションができることも持っていてほしい能力とのことです。

 好きなことは挑戦もさせてくれて、合わないと思ったら方向転換してもいい。藤川さん曰く

「地域づくりに興味あるけど、何をやっていいのか分からんかったら、とりあえず来てみたらええ。」

というほど受け皿が大きなばうむ合同会社ですが、今後は木材加工の分野でも、人がいくらいても足りないというほど忙しくなりそうとうことです。日々の業務をこなしながらも、やりたいことを実現していく意欲があるような人なら、色々なことができそうな職場です。

 今回募集しているのは、木材レーザー加工を行なう職人見習いさんですが、地域のために役に立ちたいという思いがある人や、山や木と関わりたい人なら、ひとまず来て、研修生として1ヶ月体験してみることも可能です。実際、ばうむ合同会社はお米を作ったり、焼酎を作ったりとその活動は一言で表せないところがあります。ばうむの「む」は無限の可能性に挑戦するということだそうなので、山の達人から学びたいという意欲がある人は、ぜひエントリーしてください。

 

経営理念

http://www.baum-llc.com/about/policy/

 

3年間で目指すところ

 いなかマッチは、民間版の「地域おこし協力隊」と捉えて頂ければと思います。「地域おこし協力隊」の多くが市町村行政の臨時・契約職員となり、地域の課題を解決するべく様々なところに派遣され、3年間仕事をしていきます。いなかマッチは、株式会社いなかパイプが雇用する形で、地域の課題を解決しているような「いなかビジネス事業者」のところで3年間仕事をしていくことになります。
 この募集は、ばうむ合同会社が受け入れ事業者で、3年間の間に、木材加工・デザインの技術を学び、3年後には、自立して起業することや、ばうむ合同会社の社員となって事業展開していく人財になってほしいと考えています。
 1年目は、技術を習得し、自分で自分の給料分くらいは稼ぎ出せるようになること。デザインできる人であれば、商品企画をできるようになることを目指します。
2年目は、1年目の課題を活かしながら、事業展開を目論見ます。
3年目には、木材レーザー加工のプロフェッショナルとして起業していきたい人は、独自ブランドの立ち上げを目指します。ばうむ合同会社で働いていきたい人は、新規事業の開発や販路開拓の策を考え、事業展開を目指します。
 この3年間の期間は、ばうむ合同会社と新しく採用する人財との取り組みが、うまく展開していくことができるように、株式会社いなかパイプがサポートして、ファシリテート&マネジメントしていきます。
 3年後、高知・本山町の木材加工の現場に、新しい動きをつくっていけるようなチャレンジャーのご応募をお待ちしています!

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