「はたらきかた」のマッチング いなかマッチ
宿マニアがつくったゲストホテルの経営者見習いさん
●受け入れ事業者
合同会社萬屋マネジメントサービス ゲストホテル関ロッジ
館主 久保徹弥さん
元・国民宿舎だった宿泊施設を、亀山市より借り受け「ゲストホテル関ロッジ」と生まれ変わらせた久保徹弥さん。31歳の時にそれまで勤めていた会員制ホテルを退職し、起業。ホテル開業から2年が経ち、徐々に軌道にのりはじめたこともあり、新たに一緒に宿を運営してくれる仲間を募集しています。
接客業が好きな人、やってみたい人、堅苦しくないけどあたたみのあるサービスをしたい人、自分で工夫するのが好きな人、ゆくゆくは自分で宿やゲストハウスを経営してみたいと思っている人にはぴったりな仕事かもしれません。
とにかく宿が好きな「ゲストホテル関ロッジ」の経営者
三重県亀山市の鈴鹿国定公園内にある「ゲストホテル関ロッジ」。国道1号線から5分くらい山道を登り、緑に囲まれた場所に可愛いピンクの建物がありました。玄関を入ると広いロビーがあり、大きな窓ガラスの向こう側に、池と小高い山の風景が広がっています。
ロビーのソファに座って、久保さんに話を伺いました。仕事内容ももちろんですが、少人数の職場では特に「だれと」働くのかは重要です。久保さんがどんな人なのか、まずは知ってもらえたらと思います。
久保さんは愛媛県松山市出身で、松山市内の大学へ進学。大学生の時から道後温泉にあるホテルでアルバイトをしていたそうです。元々、旅行好きな家庭に育ったこともあり、久保さんもすっかり旅好きに。
「とにかく宿が好きなんです。どんな宿でも足を踏み入れるだけでウキウキします。」
これまで47都道府県すべて訪れたことがあり、300軒以上の宿泊施設に泊まったそうです。
大学を卒業し、大阪に本社があるホテル運営会社に就職。そして滋賀県にある会員制リゾート施設内にあるホテルのフロントで働くことになりました。
「学生時代からいずれは独立して宿をやってみたいと思っていました。そのためにお金を貯めながら修行する気持ちで働いていました」
と久保さん。ホテル業界は憧れて入る人は多いものの、長時間労働や不規則な就業時間のせいか、離職率が高い現状があります。そんな中、久保さんは同じ場所で7年半勤務。
だんだん自分がお客様に提供したいサービスと組織が求めるものにズレを感じて、いよいよ独立を意識しはじめました。
「関ロッジ」との出会い
そんな時、通勤途中に見かけていた「関ロッジ」の運営者を探しているということを耳にします。亀山市の担当者と会い、関ロッジの見学に訪れてロビーから外の景色を見た時に「ここでやりたい。やらねば」という気持ちになったそう。退職し、様々な準備を経て、正式に関ロッジを借りることができました。
「ゲストホテル」というのは久保さんの造語で、「ゲストハウスのアットホームな雰囲気とホテルのようなしっかりとしたおもてなしを両立させたい」という思いが込められています。
お話していると、柔らかい丁寧な物腰の奥に、お客様に気持ちよく過ごしてもらいたいという情熱が伝わってきました。
住み込みで宿運営を一緒に!
ひとしきり久保さん自身のお話を伺った後、一緒に働く人のイメージや仕事の内容をお聞きしました。
「今は私が住み込みで、そのほかは7名のパートの方が入れ替わりで来てくださってまわしています。今回募集する方は、基本的には住み込みで、私と一緒に宿経営全般のことに携わっていただきたいです。ホテル内の清掃から接客、建物の手入れや予約管理などやることは幅広いです。」
とは言え、最初から宿経営に詳しい必要はなく、学んでみたい気持ちがあればしっかりと教えてくれるとのこと。
「宿経営は初めてのことで試行錯誤しながらの2年間でした。今のやり方が正解だとも思ってないですし、一緒に働いてくれる方と一緒に考え、もっとより良くしていきたいと思ってます。なので遠慮なく提案してもらいたいですし、私もいろいろと相談すると思います。そこにいるスタッフの個性によって、場の空気やできるサービスも変わってくる。それで良いと思っていて、進化し続ける宿「関ロッジ」を一緒に作っていければという気持ちがあります。」
と久保さん。少人数ならではの一人ひとりが関わる余白が多いように感じました。
「ほかの宿泊施設の運営をしてくれないか、という話もありますが、今は目の前のことに力を注ぐとき。いずれは2店舗、3店舗など展開していけたらという夢はあります。」
いずれ宿やゲストハウスを自分で運営してみたい人には、これまでホテル業界でしっかりと修行してきた久保さんから学べることは多いと思います。
くつろげるフリースペース
特徴は子ども大歓迎なところ!
「ゲストホテル関ロッジ」の特徴はなんと言っても、子ども大歓迎なところ。訪れる方のほとんどがファミリー層だそうです。
それもそのはず。子ども達が楽しめるようにと、84畳の巨大なキッズスペースが館内に用意されています。落書きができる大きな黒板や室内遊具や絵本などが置かれ、館内を子どもたちが自由に走り回れるようになっています。
また、だれもがゆっくりとくつろげるように、部屋着は浴衣ではなく作務衣を用意し、枕は15種類から自分の好きなものを選べます。
食事の提供はしておらず「好きなものを、好きな時に、好きなように」をコンセプトに、電子レンジや冷蔵庫が用意されているので、持ち込んだり、またデリバリーサービスを利用したりできるようになっています。車があれば近隣に飲食店もあります。
84畳のキッズルーム
トイレに行くのが怖くないように子どもに配慮したトイレ
いなかマッチは、まずインターンシップから
平成29年7月にオープンし、試行錯誤しながら態勢を整えてきた関ロッジ。「宿マニア」である久保さんと一緒に働いてみたい方は、まずは暮らしと仕事を1ヶ月間試せるインターンシッップがあります。気になった人はまずは気軽にお問い合わせください。
いなかマッチは、民間版の「地域おこし協力隊」のようなもの。株式会社いなかパイプに雇用される形で、「いなかビジネス事業者」のところで最長3年間お仕事ができます。
いなかマッチ終了後は、合同会社萬屋マネジメントサービスに雇われ、館主・久保さんと一緒に事業展開していく人になるもよし。久保さんのように退職して独立するもよし。いなかパイプの所属のまま、様々な仕事を続けるもよし。という選択肢が3つあります。
いなかパイプは、働く人々が「好きなことをやりながら、イキイキと幸せに生きている」という状態を地域につくることを目指しています。そのために、いなかパイプが受け入れ事業者とのパイプになって話合いの場をつくったり、仕事がうまく進むようにファシリテート&マネジメントしてバックアップしていきます。また、各種研修会やメンタルサポートも行っていきます。
参考:ゲストホテル「関ロッジ」 https://seki-lodge.com/