「もっと自由に生きていいんだ」そう思えた1カ月間 ~いなかインターンシップ体験記~
2021/11/19
- いなかインターンシップ
- 所 属
いなかパイプでは、2020年5月からプログラム内容を一部変更し、新型コロナウィルス感染防止対策を行いながらもいなか暮らしのお試し体験ができるいなかインターンシップを行っています。
前半2週間はいなかドアというプログラムで、地域の人との密な関わりは避けながらも、やりたいことをやりながら生きる力を身につける2週間を過ごし、後半2週間はそれぞれの希望に応じていなかビジネスの現場へインターンへ行くという2部構成になっています。(いなかドアのみの参加も可能)
2021年8月30日〜9月28日にいなかインターンシップに参加した児嶋佑香さん(通称コジコジ)。オンライン説明会に参加した後すぐに仕事を退職され、いなかインターンシップに参加されました。
最初は将来のことへの不安でいっぱいな様子でしたが、自然に触れてやりたいこと楽しむ中で、好奇心いっぱいで何事も前向きに楽しむように変化していく姿が印象的でした。
そんなコジコジのインターンシップ体験記を紹介します。
仕事をやめるきっかけが欲しかった
私がこのインターンシップの説明会に参加したのは、仕事をやめようか迷っているときでした。
大学時代から「いつかはいなかで暮らしたい」そんな思いを抱え、日本のいなかを周ることができる出版社に就職したものの、異動で東京勤務になり、満員電車に揺られる毎日。
仕事内容にも面白みを感じられず、日々不満ばかりが溜まっていきました。そんなときに目に飛び込んできたのが、いなかパイプのメルマガに載っていた「インターンシップ募集オンライン説明会」でした。
いなかパイプには、大学生の頃から興味を持っていて、時々メルマガを読んでいました。それまでも、説明会の存在は知っていましたが、申し込むまでには至りませんでした。
でも、今回は「これだ!」と私の中にあるわくわくセンサーが強く反応したのです。それから説明会に参加した2日後に退職願を提出し、3年4カ月働いた会社を後にしました。
未来への不安
仕事をやめ、インターンシップに参加することを決意したものの、始まるまでは不安でいっぱいでした。
「本当に仕事をやめてしまって良かったのだろうか」
「これからどうやって生きていけばいいいのだろう?」
そんな気持ちを抱えて、集合場所の十川駅に降り立ちました。
十川駅までは、スタッフが車で迎えに来てくれて、みんなで宿舎の古城小学校まで向かいました。
その日は「初日研修」というものがあり、インターンシップ中にやりたいことを考えたり、今の自分の状態とインターンシップ終了時になっていたい状態などを他の参加者と共有したりしました。
この研修があったことで、インターンシップ中にどんな過ごし方をすれば、自分にとって満足のいくインターンシップになるのかを予想することができ、
「良い1カ月になりそうだな」
と感じることができました。
こんなに毎日やりたいことをやり続けたことってあったっけ?
次の日から本格的に活動が始まり、毎日やりたいことをたくさんしました。
毎朝8時に集合し、1人1人がホワイトボードにやりたいことを書き、話し合ってその日にやることを決めていました。全員同じことをしてもいいし、しなくてもよくて、縛りのない緩い感じでした。
私達はみんなで同じことをすることが多く、自分が「やりたい」と言ったことで、他の人が「楽しい」と感じてくれたり、その逆もあったりで、グループだからこそ感じられる楽しさがたくさんありました。
この2週間で、特に印象に残っているのは、焚火で料理をして食べたことです。野菜の丸焼き、焼きそば、チョコバナナ、パンケーキなど色々なものを作って食べました。
「きれいな川のそばで、自分で火を起こして、みんなで食べる」
その体験がたまらなく楽しかったです。
そんなふうに毎日やりたいことばかりやっていたら、どんどん心が自由になって、未来への不安がなくなっていきました。
これまでは、世間体などに縛られて、息苦しくなっていましたが、だんだんと
「もっと自由に生きていいんだ」
と思えるようになり、自分らしさが戻ってきました。
身体を動かして働くことは楽しい
いなかドアが終わり、現場実習が始まると、前職では味わえなかった楽しさを感じることができました。
私の受け入れ先は、無農薬・無化学肥料で野菜を育てている、株式会社しまんと流域野菜と桐島畑でした。晴れの日はしまんと流域野菜、雨の日は桐島畑で研修をしました。
しまんと流域野菜では、播種機で種をまいたり、管理機で不織布に土をかけたり、草刈り機を使ったりと、初めてのことをたくさん体験できて、とても楽しかったです。
機械をまっすぐ進むようにコントロールするのが難しかったのですが、スタッフが何度も丁寧に教えてくれました。おもしろい話もたくさんしてくれて、毎日笑ってばかりでした。
桐島畑では、野菜の上に不織布を張ったり、ニンニクの種の選別をしたり、野菜の袋詰めをしたりしました。
野菜の袋詰めの際には、「土に植わっている状態で袋詰めをするのが良い」ということを教わり、「へえ」と驚きました。例外もあるそうですが、例えばショウガは、そのようにした方が品質が良くなるそうです。
また、桐島畑では野菜の宅配をしているのですが、「お客さんが払う送料が高くなってしまうので、袋詰めの際は野菜をなるべく平らに入れる」と聞き、「そこまで考えて袋詰めをしているのか」と感心しました。
研修が休みの日には、車で観光をしたり、近所の人と鮎を捕りに行ったりして、とても楽しかったです。(車はシェアカーがあります)。
地域の清掃活動に参加した際には、「今度ショウガのバイト来てよ」と声をかけられ、地域の人と関わることで、仕事の幅が広がるおもしろさを感じました。
四万十町で生きる
この1か月間で、四万十町の暮らしや仕事を体験し、ここで生きるイメージができました。そして、ここでの生活を始める決心をしました。
これからの生活についてはいなかパイプの「いなかマガジン」などで発信していきたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
「いなかインターンシップおもしろそう!」少しでもそう思った方は、ぜひ参加してみてください。今後の人生のヒントになることがきっとあるはずです。