いなかインターンシップ1ヶ月を終えて〜野呂さんの場合(その2)〜

2024/07/23

野呂さんの前回の記事はこちら

いなかインターンシップ参加者の声

 

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 この1ヶ月は私の人生の中でとても大切な1ヶ月となりました。初めは田舎で暮らしと働くということを体験してみたいと思い、1ヶ月で得られるものがあればいいなという気持ちで参加しました。

 想像した以上に学ぶことや感じることが多く、私にとってとても実り多い時間となりました。

 私が今思うこと、これからしていきたいと思うことは、この十和という地域、特におかみさん市で頂いた恩を返していきたいということです。

 私はよそから来た「よそ者、他人」であるのに、地域で関わる方は皆とても良くしてくださいました。ご飯に連れて行ってくださったり、家に招いてくださったり、県外へ連れってくださったり、、、言ってみれば「赤の他人」にも関わらず孫のように扱ってくださって、皆さんが発する言葉の一つ一つに温もりを感じました。おばちゃんたちは皆見返りを求めず、相手に対していつも与えてくださりました。

 そのような環境で働かせていただいて、頂いてばかりの恩を、私も相手に見返りを求めず「与えていける」存在になりたいと強く感じました。

 

いなかインターンシップ参加者野呂さんのレポート

 

 この1ヶ月を通して1ヶ月前に立てた目標を達成できたのかと問われれば、答えは「イエス」とはなりません。なぜなら目標に対する考え方が変わったからです。当初は「興味関心を明確にする」を目的にしていた私ですが、必ずしも興味関心を明確にする必要はないと考えるようになりました。

 

 このインターンの中で印象に残っている言葉が3つあります。

 一つはいなかパイプの代表のレオさんに言われた言葉です。インターンの途中にワークライフデザイン研修を行ったのですが、その際レオさんに「もう自分のことは十分わかっているように感じる」と言われました。

 私は将来やりたいことがわからないのは自分の興味関心が何なのかを明確にわかっていないから、だから自分のことを十分に理解することができないと将来やりたいことを仕事にできない、自分のことを理解するのが正義だと考えていました。

 しかし、その言葉をいただいて、「自分はもしかしたら自分が思っているより意外と自分のことをわかっているのかもしれない」と感じました。レオさんとお話しする中で、興味関心を明確にせずとも、自分が楽しいと感じることや、心踊る方に進むことで自ずと道が広がっていくのだと感じました。それらを貫いていくことで自分のやりたいこと、興味関心が見えてくるのだと学び、今までと考え方が逆になりました。

 

いなかインターンシップ参加者野呂さんのレポート

 

 もう一つ印象に残っている言葉があります。研修後におかみさん市の社長の居長原さんとお話させていただいく機会があったのですが、その時に聞かせていただいた、「都会の中の1人と田舎の中の1人」というお話です。

 今まで色々な講演をして来られた中で、居長原さんはよく都会の中の1人になるのと、田舎の中の1人になるのは違う、田舎の中の1人になってみる生き方もありだというお話をするそうです。その話を聞いて私は、もし同じように都会でおかみさん市のような場所で働いていたら、これほど感謝されただろうかと思いました。

 初めはおばちゃんたちのやり方などがある中で、よそから来た私が入って何か邪魔になったら嫌だなという思いもありましたが、毎日おばちゃん達の輪の中で働けることが楽しく、そして本当に幸せでした。

 節々に「お手伝いさんが居て本当に助かる、ありがとう」ととても感謝され、温かい言葉をたくさんかけていただきました。私は何かおばちゃんたちの力になれたらいいなと思い働いていて、毎日楽しいからやらせてもらっているだけなのに、そんなに感謝されるほどかとすら思いました。

 もしこれが都会であるならばと考えると、私が感じるようにこれほど周りの人々に感謝されないのではないかと感じました。しかし、田舎という小さいコミュニティで地域がまとまり一体となって動いているからこそ、こういった温かい言葉をたくさんかけていただけたのだと思いました。おばちゃんたちにたくさん感謝していただいて、自分は意外に「やればできる」、そしてこんな私でも「誰かの役には立てる」と感じました。

 

いなかインターンシップ参加者野呂さんのレポート

 

 今まで自炊などほとんどと言っていいほどやってこなかった私ですが、おばちゃんたちの料理のお手伝いをしてみて、意外にできることがありました。

 おばちゃんたちには器用と言っていただいて、徐々に料理の手際が良くなっている自分に気がつき自信に繋がりました。

 また、感謝の言葉をかけていただくたび、こんな私でも何か人の役に立つことができるのだと嬉しくなりました。そして、こんな温かい場所で働かせていただくことができ、さらに居長原さんの言葉を聞いて、将来はやはりこのような「田舎」の一員として働きたいと確信しました。

 

いなかインターンシップ参加者野呂さんのレポート

 

 また、深く納得した言葉がもう一つあります。それは一緒にいなかドア期間を過ごしていただいたいなかパイプスタッフの吉尾さんが仰った「本当の豊かさは田舎にある」という言葉です。私はこの四万十での1ヶ月を通して、この言葉の意味を理解できたように感じます。四万十で過ごした1ヶ月は今まで感じたことのないくらい最高に楽しく、心の底から「幸せ」と感じられた日々でした。

 そして「豊かさ」とはお金をたくさん稼ぐことや高い地位につくことではなく、自分の好きな環境で、好きな人と、好きなことをできること、それが「本当の幸せ」であり、それを仕事と結びつけることが田舎ではできると感じました。また、その中で他者と助け合えること、それが真の「豊かさ」だと、その豊かさが田舎にこそある、と感じました。

 このインターンシップを通して私が描く将来像は、たくさん与えてもらったこの恩を今度は私が与える番になるということです。今までの「自分は何に興味があるのか」という考えから、「社会に対して何ができるのか、どのような形で貢献していけるのか」という考えにシフトしました。それが「働く」ということに繋がり、自分が心から社会に貢献できた、と感じた時私は幸せを感じ、自分の使命を全うできるのだと感じています。

 

いなかインターンシップ参加者野呂さんのレポート

 

 ここで学んだことを心に留め、私はこれからも心の踊る方へ飛び込み続けます。ここから始まる新たなスタート、未来への希望と自分の可能性に期待と楽しみで心がいっぱいです。

 最後に四万十で繋がってくださった全ての方に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。最高の四万十での1ヶ月でした。

 

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野呂さんが参加した1ヶ月のいなかインターンシップ

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