「はたらきかた」のマッチング いなかマッチ
「いなか」と「とかい」をつなぐパイプさん
●受入事業者
株式会社いなかパイプ 吉尾洋一
いなかパイプは一体どんな活動をしているの?
そんな声をよく巷から耳にします。謎多き?この団体の活動を世間にお伝えするために、いなかパイプ研修経験者であり、ウェイティングリスト登録後、採用され現在スタッフとして働いている、よしおよういちが体験したいなかパイプでの生活の全貌をこっそり暴露します。
きちんとした会社?で働いている人は軽く混乱をするかもしれませんので、閲覧注意です。
まず衝撃的なほど、いろんなことが自由です。休み自由、業務を選ぶのも自由、新しく仕事をつくるのも自由、対象地域も特に決めていないし、連携している団体や人もこちらから仕掛けるというよりは自然に現れてきます。そもそも代表の佐々倉が自由人です。
やろうと思えば、管理された働き方もできますが、この変幻自在の組織の中(しかもやたらと業務が多い中)で働くには、地域づくり云々の前に、フリーランスで活動する人のように自己管理できる人でなければ自己崩壊してしまうでしょう。
ちなみにオフィスや滞在場所の生活環境はこんな感じの生活です。
いなかパイプはこのホームページ上で見えてくることだけでなく、実は色々なことをやっています。はじめ、その活動の説明を受けたとき、よくこれだけのことをこの体制でやっているな、という程やっていることが多くありました。
優先順位を決めて、できないことはできないというやり方なので、面白いことが日々起こっているし、情報も更新されているのにこのホームページでもそれが発信できないという状況が続いていました。やることが多いがために、手薄になっていることもあって、その体制強化が今後の課題の一つになっています。
いなかパイプの業務を簡単に紹介すると
- ●研修事業
- ●ツアー事業
- ●ワークショップ事業
- ●行政事業
- ●Webサイト運営
- ●シェアオフィス運営
- ●研修生宿舎運営
- ●移住促進関連業務
- ●視察対応
- ●諸々の地域事業者とのお仕事
更に改良していったり、新しいことをいくつか始めようとしています。ということで、実際にはやりながら考えるということばかりです。
やりながら考えることは、スピードが必要な創作現場、全般にあることですが、多くのことを平行して漏らさずにやるには、よほど管理能力がないとできません。いなかパイプの活動の秘密の一つはそこら辺にもありそうです。
本採用前のインターンで取り組んだことは?
本採用前に、自分と会社と地域とのマッチングを見極めるために実施される1ヶ月の研修期間で、私が関われたのは
研修事業:「いなか体験」
ツアー事業:「モニターツアーの打ち合わせ、紹介」
ワークショップ事業:「ジビエWS」「地域おこし協力隊の活動サポートWS」「地域で看板をつくるWS」
行政事業:「移住相談員との話合い」「県の移住会議」「副大臣と地域の人達で会食」
イベントの参加:「地域仕掛人市@大阪、東京」
シェアオフィス運営:「オフィス改装の打ち合わせ」「新しい家具のレイアウト」
研修生宿舎運営:「滞在」「管理」
移住促進:「移住ツアー」
地域事業者のサポート:「打ち合わせ」
ホームページ運営:「打ち合わせ」
各事務処理:「オフィス作業」
その他、細かなこと諸々
でした。
仕事以外でも地域の人との交流があったり、会話の中で見えてくることもたくさんあったので、各部門や業務は分かれていますが、仕事と遊びの境界がないという感じもあります。
メイン事業「いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ」とは?
いなかパイプ活動全てを伝えることや研修中の出来事全てを伝えるのは難しいので研修で印象に残ったことを少し紹介します。
研修始めから関わり1ヶ月で完結した業務が、研修プログラム「いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ」でした。インターンシップの業務は色々ある事業の中でも、いなかパイプをこれまで支えてきたような柱の事業です。
自分の研修と同時期に、ほっと平山で研修がはじまる人がいるということで、その業務のサポートから始まりました。
研修生は東京で農業の勉強をしている大学生で将来は田舎で農家民宿をしたいという夢を持ちながらも、就職活動をしながら今後の進路を考えようと、実際に田舎の宿泊施設に飛び込んできた21歳の女性です。
インターンシップは、受け入れ先で研修生が学ぶことになるので、事務局としては事前段階、初日、中間日、修了日と、日々の報告とやり取りが主なサポートになります。
研修をしながら研修をサポートするという不思議な形なってしまったんですが、彼女をサポートすることで自分自身の研修を見つめるタイミングにもなりました。
初日研修では、研修中にやりたいことを実際に行動してもらえるようにするのが事務局のサポート業務になります。実際に現場に居ると、それだけではなく、事務局が受け入れ先と研修生のクッションになっているのがよく分かりました。
田舎では、地域との関わりが深いだけに、外から人が入ってくると都会よりも地域に変化が起こります。そのために、受け入れ先がクッションになっていますが、その受け入れ先と研修生の間に事務局が入ることで、お互いにとって無理のない関係性が生まれるように配慮されているんだなぁ、と感じました。
初日研修で、研修生の今後の展開をサポートすることに配慮しながらも、自分自身もこの研修で、インターンシッププログラムを一通り理解しようという目標を立てました。
研修途中のサポートでは、研修生が研修につまずいていないか、もし研修生が困ったことがあるのなら、それを自己解決できるような方法を提案し、方向性を見つけてあげるカウンセラーのような役目が事務局には求められます。いなかパイプのインターンシップでは、これがうまく構成されているように感じました。
ただし、これはコーディネーターのスキルや、受講生との相性によって変化していくところでもあるので、実際コーディネートすることになるなら、経験と共に習得していくことになるでしょう。
研修最終日のサポートは、研修で経験したことを内観し、この経験をしっかり吸収して持って帰ってもらうというサポートです。自己分析のような作業や、研修中の経験で得た学びを共有することで、気づきを深めることをします。
研修という限られた業務、時間の中での対話ですが、真剣に向き合っていればいるほど、人生にも関わるような大きなことにもなり得る、ということがよく分かりました。
田舎生活での楽しい側面だけでなく、厳しさや、今後自分がやりたいことに対して何をすべきか、が本人の中で明確になることもこのインターンシップの効果かな、と感じました。自分自身そういう人が成長する現場に、いつも関わっていたいと思っているので、インターンシップは、一緒に期間を共有できて達成感を感じられる業務となりました。
実際に体験した研修生に話を聞くと、田舎生活にもだいぶ慣れて研修でやりたいこともやれているようでしたが、その経験を今後の自分の人生のステップにどう活かして行くかを考えているようでした。彼女が体験したの詳しい研修内容はこちらに書いています。
インターン以外でも各地域との関わりや各事業の中でも色々なところで成長をサポートするということが絡んできます。そういうことにやりがいを感じる人には最高の環境です。
表には見えてこない、日のあたらないお仕事
いなかパイプの活動であまり発信していないことでも、重要な業務がいくつかあります。
一つはオフィスのある四万十川中流域の地域づくりのサポート業務です。
周辺地域には、やたらと元気な事業者さんがたくさんいて、更なる進化をしていこうと奮闘しています。その人達がこの地域でやりたい活動がスムーズにできるようにサポートしていることが多々あり、この業務は今後多様な広がり方をしそうで面白いんです。
それぞれの団体や人を紹介したいところですが、それは追々するとして、見えない活動をこっそり教えます。
四万十町十和地域周辺は、昔から栗とお茶が有名な産地でした。実はこの地域で取れる栗やお茶はその気候と地形条件のおかげで、昔から最高の品質が取れる環境なんです。いなかパイプが連携している会社・株式会社四万十ドラマでは、その最高の素材を商品にし、販売していますが、今生産が追いつかない状況です。
栗農家、お茶農家は今でもある程度の数いますが、この地域でも例に漏れず、生産者の数は年々減少していっています。そういった十和地域において、一次産業の生産現場を復活、再生させようという取り組みが、地域の事業者同士が連携しながら動き始めています。こういった地域の事業者が集まる話し合いをコーディネートしたりしています。
その他も、例えば道の駅を新たに作りたいとなれば、そのワークショップのサポートをしたりもします。いなかパイプとしては、そういった地域で元気に田舎の資源を利用して活動しようという人達の活動がうまく流れ、それぞれの人や地域が成長していけるようなサポート業務をひそかにやっています。
地域づくり業務は1、2年で成果が見えることはそんなに多くなく、5年、10年以上経たないとその結果が見えてきません。なので、そのサポート業務はその地域と運命を共にして取り組むような覚悟も必要だと思います。でも、成功すればそれだけ多くの人達とやり遂げた自信と達成感を得られるんだろうな、ということがこういう業務に関わるとビリビリ感じるでしょう。
株式会社いなかパイプとは?
いなかパイプの業務形態は柔軟で、常に変化していて境界線がよく分からなかったりします。これは僕が感じているものを図にしたらこんなかんじです。
いなかパイプが発信源になってやることもありますが、基本的なスタンスは、協力しているそれぞれの団体や人達がやりやすい形で、常にいなかパイプは変化し、対応します。
短い期間でしたが、地域がやりたいことと、いなかパイプがやりたいことの両方ができる、という仕組みを創っていることを感じました。その仕組み自体も改良しながら進んでいるので捉えどころがなくて、常にこういう業務をやっています、とは言い切れません。
結局、「とかい」と「いなか」を繋ぐパイプのパイプ作りが、いなかパイプの仕事なのだと思います。
これは個人的な感覚かもしれませんが、業務と休みの境界線もないように感じています。地域と関わることや地域づくりが好きな人なら常に休日のような感覚で仕事をすることになると思います。
僕自身は、休日に地域づくりや地域と関わることをしていたので、殆どいなかパイプの業務でやっていることが、本気で遊ぶ仕事のような感覚でやっています。あるいは、休日に地域の人と交流したり、遊びに行ったりすることも仕事のような遊び、とも感じます。
仕事や組織の構成として、機械の構造のようにこのパーツがなければここが動かず、代わりに全く同じ機能を持った別の物を入れ替えるというやり方もありますが、いなかパイプはどちらかというと、何か共通する目的に向かって、それぞれができることや個性を活かして責任を持ってやっていく生命体の構成のようなやり方が近いかもしれません。
地域づくりが好きで、自分で積極的且つ調和的に何かを創っていきたい人や、人や地域の成長のサポートをしたい人には、この現場は楽しい仕事場兼遊び場だと思います。
さらに新たな事業がスタートします!
もう一つ、こっそり暴露するとこんな多忙な状況の中、実は新たな事業を始めようとしているんです。上の図に追加するとこんなかんじです。
「いなかマッチ」とは、いなかビジネス事業者のニーズと、田舎で暮らしたい人のニーズをマッチさせる事業です。
田舎は仕事が溢れてます。ハイシーズンには猫の手も借りたいほど人手が足りません。でも世の中には田舎で仕事を探している人がごまんといて、おかしなミスマッチが続いています。そこで登場したのが「いなかマッチ」 田舎の求人とのミスマッチをなくし、地域に火を灯します。
今、求めている人は
- ①そんな新事業「いなかマッチ」を担当してくれる人
- ②地域や事業者を越えて「いなか」の仕事をしたい人
①の業務は、この事業を運営するスタッフで、仕事内容は、いなかビジネス事業者と参加者をマッチさせることです。こちらの仕事に向いているのは、
- ●人と関わることが好き
- ●人が成長するプロセスが好き
- ●管理、計画することが好き
という人でしょう。
②は、「いなか」にある仕事を何でも幅広くやりながら暮らしていきたい人向けの仕事です。いなかパイプに所属しながら、様々な事業者や地域に行って、そこにある仕事をしてもらいます。やってもらうお仕事は季節や事業者によって異なります。
- ●有機農家さんのところで農作業
- ●道の駅での販売、接客
- ●カヌーインストラクター
- ●季節に応じた農家さんのサポート(栗、お茶、しいたけなど)
- ●いなかパイプの事務的な仕事
などなど
つまり、猫の手もかりたい!という現場に行って、猫の手になる!というお仕事です。最低1年間以上、季節に合わせて色々な仕事をして頂きます。仕事をしていく中で、お気に入りの地域を見つけ更にディープに入り込むのもよし、新しい仕事を作り出すのもよし、息の合う事業者を見つけそこに就職するのもよし。もちろん、こういう仕事を続けたいならば、プロフェッショナルとなり、いなかパイプ何でも屋事業部を立ち上げて、地域の助っ人として働くことも可能です。
この仕事に向いているのは
- ●田舎に行ってみたいが仕事を見つけられない
- ●今は一つのことに絞らずいろんな経験をしてみたい
- ●1次産業から6次産業までの田舎の幅広い仕事場を経験したい
- ●地域おこし協力隊も検討している
というような、体力仕事から事務仕事まで、どんな仕事も楽しく器用にこなしていけるような方に最適な仕事です。
田舎は自然と向き合うことが多いので、季節と業種によって繁忙期が全く異なるという特徴があります。
今は、都会でも田舎でも色んな形の生き方ができるようになっています。田舎ではどういう暮らし方ができるのか、この感覚を一度体験してみると、田舎での生き方の可能性が広がるかもしれませんよ。
こんな仕事があるなら、応募したい!と思った人でも、気になるのが私生活だと思いますが、体験していない人が知らないだけで、田舎の方が都会より快適に暮らせる時代です。山間の集落に入って生活してみて分かったのは、田舎の暮らしやすさや何があっても生きていけるというような生活力の高さです。
庭の畑で野菜を作れば野菜を自分で生産できるし、ありがたいことに冷蔵庫はいつも頂き物でいっぱいです。水は使い放題無料(山水利用のため)。太陽温水器のある我が家は、夏ならお風呂は太陽の熱だけで十分過ぎるくらいお湯を使えます。そんな生活なので1、2週間お金を使ってないっていうのはよくあります。
一つ不便があるとすると、都会のように便利なことが密集してないところです。しかし、車があるなら何処に行くにも便利です。都会の電車で移動するより、車の方がずっと自由に動き回れますよ。電車よりコスパや利便性は圧倒的に高いです。
地域との関わり方や組織の中での関わり方が多様で柔軟なので、もし元気ある田舎で何か新しい活動をしてみたいという人は、この摩訶不思議な株式会社いなかパイプにコンタクトしてみると希望の田舎との関わり方が見つかるかもしれませんよ。気になる方はぜひ問い合わせてみてください。